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新しい山 コ メ ン ト
【二十六夜山】
6年11月18日
道 志
 カタクリ会で晩秋の道志の二十六夜山に登った。上野原で集合しバスで登山口となっている浜沢へ向かう。麓にあるキャンプ場を抜けると、一気の登り坂だ。ひんやりとした風で肌寒かったが、心地よく汗をかく。落ち葉を踏みしめながら高度を稼いでいくと程無く稜線に出た。ここからは平坦な尾根筋を回り込みながらのの歩きとなった。山頂は尾根筋からやや離れたところにあったが、高度が低いせいか落葉樹の林の中にあり、展望は残念ながらない。三角点が無ければ山頂かどうかも判らないような頂であったが、晩秋の里山は、かくありなんという風景を堪能した二十六夜山であった。

浜沢9:30 → 二十六夜山11:10/11:55 → 下尾崎13:00

二十六夜山山頂にて
【高隈山】
6年10月28日
九 州
 九州で最後に登り残した高隅山に登る事となった。飛行機の関係で熊本が今回のゲート空港となった。初日に熊本空港に降り立ちレンタカーで鹿児島に入る。この日は知覧まで足を延ばし観光に終始する。翌日はまだ暗いうちにホテルを出発し、桜島フェリーで大隅半島に渡り登山口を目指した。猿ヶ城温泉側から登ろうと走っていくと、随分手前で林道が通行止めになっていて、急遽「垂桜」から大野原林道を辿り、北側からのルートで登ることにした。

 大野原林道の登山口には車が数台停められる場所があり、ここに車を置いて山頂を目指して歩き始める。南国の山らしく明るい樹林帯の登山道を歩いていると、とても10月の山旅とは思えない。汗を拭きながら緩やかなアップダウンを繰り返していくと、いきなり斜面が急になった。コースは短いのだからとピッチを落とさず登りきると杖捨塚に出る。ぽっかりと樹林の空いた広場の真ん中に、何本も杖が突き刺さっていた。ここから平坦な道を少し進むと高隅山の山頂に到着だ。この日は薄曇りで期待した展望が無かったのが残念だったが、九州の日本300山がこれで終わった事で、満足感で満たされた高隅山の山頂であった。

大野原林道登山口8:25→五合目9:30→杖捨祠10:10→高隈山10:20/40→五合目11:10→大野原林道登山口11:45

南国の樹林帯を行く


高隅山の山頂
【榛名山】
6年10月21日
上 州
 吾妻山から下山したが時計を見ると未だ10時前、まだ随分と時間が有る。近くの山で、いちさい頃に登ったらしいのだが明確な記憶が無い榛名山に登る事にした。関越道を渋川伊香保まで戻り、伊香保温泉を抜けて榛名高原へ向かう。吾妻山から約一時間半で榛名富士の登山口に到着した。榛名湖脇の駐車場に車を停めて早速歩き始める。榛名富士にはケーブルが架けられていいるのだが、登山道を歩いている人も結構いた。笹の斜面を登る登山道を登ったのだが、一休みする前に山頂に到着する。ケーブルが紅葉狩りに訪れた沢山の観光客を、休む間も無く山頂に運んでいる様で、山頂部はリュックサックが似つかわしくない感じがする程であった。山頂に立つ御社に御参りをして、早々に下山した榛名山である。


登山口11:15→榛名山頂上11:40

榛名富士


観光客も多い榛名富士山頂
【吾妻山】
6年10月21日
上 州
 前日の天気予報では、群馬と新潟の何れも晴れマーク。上越国境の朝日岳に登ろうと3時前に東京を出発する。関越道を北上し水上で下りた辺りで、車のフロントガラスに水滴が付き始めた。天気予報を信じて来たのだが、太平洋と日本海の境目にある谷川岳付近の天気は難しい様だ。見上げると山は鼠色をした雲で覆われている。白毛門岳を経由して朝日岳を往復する予定であるが、このコース所用10時間以上のコースだ。谷川岳の岩壁を間近で見れると期待していたのだが、この分では展望が期待できない。以前に同じような時期、平標から仙ノ倉へ登った事があるが、下は秋晴れだったが稜線は雪だった事がある。距離的に近い山であるし「朝日岳」には出直すことにして、近くにある他の山に転進する事にした。

 持参した谷川岳の山地図に載っている山で、晴れ区域の簡単に登れる山という事で、水上近くにある吾妻山に登る事にした。県道脇のポケットパークに車を停め、ここから山頂目指して歩き始めた。歩き始めて15分程で稜線に出る。ここからは平坦な登山道を、枯葉をカサカサ踏みながら歩く事になる。葉の落ちた森は明るく、秋の柔らかな日差しが差し込んでいて気持の良い登山道であった。山頂が近くなってくると、結構急な斜面となり枝に掴まりながら高度を上げる。急坂を登りきり、苔生した大きな石の窪地を越えると、なだらかな山頂部に出た。小さな割には変化が多い山で、飽きる事の無い登山道であった。登山口から約1時間で山頂に到着した。東側から北側にかけての展望が広がっていたが、武尊岳が青空を背景にしているのとは対照的に、谷川方面は厚い雲に覆われていた。

仏岩ポケットパーク登山口7:10→吾妻山頂8:15/35→仏岩ポケットパーク登山口9:30

登山道脇の仏岩


急斜面を登る


吾妻山の山頂
【以東岳】
6年10月15日
東北
 先週・先々週と、登山計画を立てながら登ることが出来なかった東北の以東岳に、三度目の正直で登ることが出来た。快晴の天候の空の下、木々が黄金色に色付いて錦の中を歩いている様であった。

 詳しくは「以東岳紀行」を御参照ください。

泡滝ダム登山口5:55→冷水沢吊橋6:40→七つ滝沢吊橋6:55/7:05→タキタロウ山荘7:55/8:05→三角峰手前ピーク8:45/9:00→オツボ峰9:50→オツボ峰先ピーク10:00/15→以東岳10:45/11:50→東沢13:00/10→タキタロウ山荘13:30/45→七つ滝沢吊橋14:30/35→冷水沢吊橋14:50→泡滝ダム登山口15:30

紅葉のトンネルを登る


紅葉に包まれる大鳥池
【大和葛城山】
6年10月9日
近畿
 六甲山から下山してから奈良の葛城へ移動、道の駅で食事を取ってから車を停めて寝袋に収まる。長時間の運転で疲れたせいか、直ぐ眠りに付いた。翌日は5時半に目が覚める。車の外に出ると、東の空が白んできていた。空には雲ひとつ無い。今日は「大和晴れ」の良い天気になりそうだ。近くのコンビニで朝食を調達し、登山口へ移動した。

 大和葛城山には奈良側からロープウエーが架かっているが、ロープウエー山麓駅の脇が登山口となっている。ロープウエーの始発は9時10分で、のんびり登って山頂で時間調整をして、下りは文明の利器を利用させてもらう事にしよう。登山道と言うより「遊歩道」と言った趣の道を歩いた行くと、小さな滝が現れた。小さな山の割には立派な滝で、その昔に円の行者が修行したと言われる「櫛羅の滝」であった。歴史的な説明を記した看板を横目に、コースは暫らく沢筋に沿って進んでゆく。道は良く踏まれており、登山者が多い事を伺わせる。登山口から山頂までの標高差は600m位で、東京で言えば高尾山に相当する山で、近畿のハイカーにとっては身近な山なのであろう。下枝が綺麗に払われている杉林の中、所々で現れる石畳を踏んで徐々に高度を上げてゆくと、再び沢筋に合流した。せせらぎの音を聞きながらの歩きは、何故か疲れない感じがするのだが、このコース9合目まで脇を水が流れていた。

 9合目から上の山頂部は、自然研究路が複雑に交差していて、登山コースマップが無いと道を迷いそうになるが、標高の高い方を目指して歩いてゆけば間違える事は無いだろう。山頂部に開かれたキャンプ場のバンガローを抜けると、立派な食堂と管理事務所が現れた。山頂は思ったより開けていて公園のようになっていた。ここを抜け山頂に登る。山頂一帯は草原になっていて、展望を遮るものは無く360度の展望を楽しむ事ができた。青々とした大阪湾、眼下には大阪の町並み、横に目を転じると金剛山、振り向けば奈良盆地を挟んで吉野の山々。標高は低いものの、素晴らしい展望に満足した大和葛城山であった。

ロープウエー脇山麓登山口7:00→大和葛城山8:15/50→ロープウエー山頂駅9:00


登山道脇の櫛羅の滝


大和葛城山頂、背後は大阪の街並み


ロープウエー山頂駅より奈良盆地

【六甲山】
6年10月8日
近畿
 扇ノ山から下山後、途中村岡温泉で汗を流してから六甲山を目指した。播丹道から中国道へ入り、西宮北で下りた所までは良かったのだが、ここで道に迷ってしまう。神戸は東西に伸びる六甲山地を挟んで、その北側にも住宅地が開けているのだが、其処を東西に阪神高速が貫いて連絡道路が複雑に絡み合っている。幕営用の食料を調達して、登山口わ目指したのだが、有馬温泉付近に入り込んでしまい渋滞で身動きが取れなくなってしまった。日の沈むのが早くなった時期でもあり、麓からの登山は時間切れ、結局六甲山の尾根筋を東西に走る自動車道路まで車で上がり、徒歩5分の山頂直下から歩く事にする。

 日没まであとわずか、ヘッドランプをもって六甲山頂に到着した時、丁度日没の時間になっていた。雲が夕陽で赤く染まり、刻々と色合いを変えていく様は見事な物だ。山頂は風が強く長逗留は出来なかったが、久しぶりに綺麗な夕陽を拝む事が出来た。記念撮影を済まし山頂を後にしようと振り向くと、西宮から神戸に続く町並みに灯りが燈り始めていた。


六甲山の山頂


夕陽に西の空が焼ける
【扇ノ山】
6年10月8日
中国
 十月の三連休は、北アルプスの雪倉岳か先週登れなかった東北の以東岳に登る計画をしていたが、季節外れの二つの台風と秋雨前線の低気圧が合体、北日本と北陸以北の日本海側は大嵐となった。白馬岳等では吹雪となり遭難者が何人も出たとの報道もあり、急遽計画を変更する事にする。低気圧が三陸沖にあり、少しでも離れようと西日本の山に登る事にした。

 三連休の初日、夕方から仮眠を取った後11時に自宅を出発する。高速を東名から名神、中国と乗り継ぐ筈であったが吹田で道を間違える。名神へ入ってしまった。大阪地区の高速は、土地が不案内で標識が判別しづらい。豊中から阪神高速で池田に出て、ここから中国道へ復帰、播丹道を経由して兵庫と鳥取の県境にある「扇ノ山」の麓に着いたときには、9時を廻っていた。「扇ノ山」は今年の四月、鳥取側から登ろうと林道を走ったが、残雪が多く途中で引き返す事になり登れなかった山だ。今回は兵庫側の千谷から海上林道で峠付近の登山口まで車で上がり、稜線伝いに歩く事にした。

 今朝まで雨が降っていたらしく、下草が濡れている。雨具のズボンを身に着けてブナ林の中を歩き始める。昨日の雨は強い風を伴っていた様で、未だ紅葉しきっていない黄色の葉っぱが地面に沢山張り付いた。泥濘が多く、滑らないように注意して歩く。周囲はブナの混合林で明るい森が続いている。天気が良ければ、枯葉を踏んで「そぞろ歩き」出来そうな傾斜の緩い道を上り下りする。雨上がりでなければ、ピッチ良く歩けるのだが、滑らぬ様に注意深く歩いたせいか、山頂まではコースタイム通り1時間少々かかってしまった。山頂には壁面の一部がガラス張りになっている、小奇麗な非難小屋が立っていた。未だ完全に天候が回復していない様で、展望は今ひとつであったのが残念な扇ノ山であった。

上山側の河合谷登山口9:50→扇ノ山10:00/10→河合谷登山口11:45→上山側の河合谷登山口11:55

平坦な登山道を行く


ブナ林の中を歩く


扇ノ山の山頂
【葉 山】
6年9月30日
東 北
 九月も末を迎え、山からは紅葉の便りが聞こえ始めた。以前から紅葉の時期に登りたいと思っていた山の一つ、東北の「以東岳」に登るため出かける事にした。金曜日の仕事が引けてから帰宅、19時過ぎに東京を出発、東北道を北へとひた走る。予定では未明に登山口に到着し、朝一で出発、日帰りで山行を計画していた。10時過ぎに村田から山形道へ入った辺りで、眠気に襲われる。少し仮眠を取っていこうと山形蔵王PAに車を入れ、後部座席を倒して横になったのが運の尽きだった。目が覚めると、車の外は良い天気。青空が広がっていた。時計見ると6時過ぎ、本来ならば登山口から以東岳へ向かって歩いている頃だ。寝過ごした。どうやら目覚ましをかけわすれたらしい。車を停めたパーキングから登山口までは未だ2時間近くかかる。以東岳へは往復10時間以上かかり、今から行ったのでは日帰りは到底無理な時間だ。急遽予定を変更し登る山を探す。日本300山の山々は、北関東以北は既に「以東岳」を残すだけになっている。「朝日岳の山地図に載っている山で、山形周辺で日帰りできる魅力的な山。」という事で、葉山に向かう事にした。日帰りで簡単な山に登り、新蕎麦と温泉でも楽しんで帰る事にしよう。こんな日があってもまあいっか...。

 山形道を寒河江で下り、寒河江バイパスから国道458号へ入る。インターから約1時間で、三本橋登山口に到着した。登山口の標識を横目に歩き始める。ブナやダケカンバの樹林帯の中、沢沿いのなだらかな道を歩いてゆき、大清水の標識の有る地点で右に折れる。登山口から約1時間弱で三本橋沢と合流した。登山地図に「迷」の印の付いている地点だ。沢を渡り返した地点で、沢沿いに谷筋を登る踏み跡が明瞭で、50m近く進んだが途中でルートが判らなくなった。引き返してみると、沢を渡った地点で、逆方向に登り返す登山道がある事に気付く。下草に覆われていて、登山道を示す赤テープも無い。確かに迷いやすい場所だ。沢を渡ってからは急登りで尾根に取り付く。水分を含んだ黒土が滑りやすく難渋したが、尾根の背までの僅かな距離だ。「休の松」で一服してから、再び歩き始める。

 木々の間から山頂部のピークが見え隠れしだした頃から、紅葉が始まった。木々が次第に低くなり傾斜が緩やかになると、突然視界が開け「とんぼ池」に出た。ここからは正面に奥の院、なだらかな稜線の右手に葉山の山頂が見える。池に写った紅葉のピークが美しい。ここからひと登りで奥の院の祠に到着する。東側の山之内から登ってきた人が2人休んでいた。挨拶を交わし、三角点のある葉山まで足を伸ばす。三角点ピークへは奥の院から往復20分程度であったが、三角点ピークは展望が無かったので山頂標識をカメラに納め、直ぐ引き返す。今日の行程で一番展望の良い「とンぼ池」まで下り、此処でお昼にした。天気予報は秋晴れと言っていたが、山の上は雲が多い。青空は無理かなとあきらめて下山しようと歩き始めると、突然、日がさしてきた。あわてて池まで引き返す。「奥の院」の頂は青い空をバックにして、陽光を浴びて美しく輝いていた。陽の光を受けた紅葉は本当に美しい。

 本来登りたかった「以東岳」に登れず、ちょっと凹んでいた今日の山旅であったが、とんぼ池に写る紅葉の山頂を見れて気が晴れた。こんなハプニング山旅もたまにはいい。あとは温泉で汗を流し、美味い蕎麦でも食べて帰る事にしよう。

三本橋登山口9:10→大清水9:35/45→三本橋沢10:00→休の松10:25/35→とんぼ池11:05/10→奥の院11:20→葉山11:30→とんぼ池11:40/12:15→休の松12:35→三本橋沢12:45/50→大清水13:05→三本橋登山口13:30


三本橋登山口


地図に「迷」印のある箇所
沢を渡り登山道は右斜面を登る


紅葉の稜線を歩く


とんぼ池に写る奥の院ピーク


葉山の山頂

【大門山】
6年9月24日
加 越
 
 冠山から下山後、岐阜を経由して東海北陸道で荘川へと走る。荘川インター脇の「道の駅」に併設されている温泉で汗を流してから、登山口となっている五箇山を目指そうとしたのだが、御母衣湖にさしかかった所で突然渋滞でストップしてしまった。狭くなっているトンネルで、大型の自動車運搬車が抜けられず立ち往生していたのだ。30分以上かかって漸く通過する事が出来たが、東海北陸道路が北は白川郷、南は飛騨清見まで延伸して来た結果、以前より交通量が格段に増えた様だ。合掌集落の世界遺産登録も影響したのであろう、大型の観光バスも沢山走っている。東海北陸道が貫通するまでは、荘川・白川間は渋滞に要注意だ。日没が早くなったこともあり、宿営地として予定した桂湖に着いた時には真暗になっていた。

 翌日は、国道156号の上平から県道を通ってブナオ峠を目指す。上平付近は何べんも通っているが、ブナオ峠への県道のゲートは開いていた事が無い。冬季通行止めになるほか、落石が多く年中工事をやっていて通行止めになる。去年も9月と11月に来たのであるが、二回ともゲートが閉まっていた。「開通しているのが珍しい県道」を走ってブナオ峠に着くと、既に二台の車が停まっていて、登山の準備をしている人がいた。聞くと地元砺波から来た登山者で、大獅子山に登るのだと言う。地元の天気予報では雨にはならないとの事であったが、空を見上げると今にも雨が降り出しそうな濃い雲が空を覆っている。何時でも傘を出せる様にして、ブナ林の中を行く登山道を歩き始める事にした。

 峠からの道は階段状の斜面と平坦な部分が交互に現れるが、地形図で見たよりも斜度がある様に思えた。下草は良く狩られていて歩きやすく、ブナの林層を楽しみながら高度を上げてゆく。紅葉には今一歩と言う感じだが、半月もすると黄金色の紅葉の中を歩くことが出来るのであろう。峠から50分程度で赤摩木古山との分岐に差し掛かった。ベンチもあって休むのには丁度良い場所だ。大門山の山頂は分岐を右に折れ、10分ほど登った地点にあった。雨は降ってこなかったものの、濃い雲に包まれて展望は全然無いのが残念だ。まだ朝早く他に登山者の姿は無い。風も無くじっとしていると静寂に包まれる、実に静かな山頂であった。

ブナオ峠6:30→分岐7:25/30→大門山7:40/50→分岐7:55→ブナオ峠8:30


ブナオ峠登山口



赤摩木古との分岐



大門山の山頂

【冠岳】
6年9月23日
奥美濃
 福井県と岐阜県の境えに冠山という、マッターホルンの様な形をした山がある。福井県側からも岐阜県側からも、麓の村から細い林道を冠峠まであがり、峠からは簡単に登れる山なのであるが、問題は林道が工事で閉鎖されている期間が多い事である。2005年に登ろうと計画していたが、7月の台風で福井県側の道が崩落して通行止になってしまった。岐阜県側はと言うと、麓の揖斐川で大規模なダムが工事中で、こちらも林道はしばしば通行止になっていた。結局登れずに今年になったのであるが、福井県側は相変わらず工事で通行止め、岐阜県の揖斐村に確認すると峠まで通交出来るとの事。この機会を逃さぬ様にと、冠山を目指すことにした。

 午前3時前に東京を出発し東名高速で大垣まで走り、大垣からは国道417号線を揖斐川沿いに遡る。横山ダムから上流は悪路と地図に記されていた為、所要時間がかなりかかると思っていたのだが、上流に建設中の徳山ダム付替え道路が伸びていて、冠峠に近いヒン谷まで立派な二車線道路が延びていた。何でも昨日22日に開通したばかりの道だそうで、見物人が沢山来ている程だ。ダム付替え道路の終点から暫らくは工事現場の中を走るが、峠への林道に入ると舗装道路になり、「道の駅」から45分で冠峠に到着する事が出来た。交通の便がよくなったせいか、峠には既に20台近くの車が停まっていて、大勢の入山者がいる様だ。登山靴には履替え冠山を目指して歩き始める事にした。

 峠からはススキの中に伸びる登山道を歩いてゆく。何回かアップダウンを繰り返すが、概ね平坦な道だ。岐阜と福井の県境の山並みが、木々の間から見え隠れするが。峠から約40分で冠平と呼ばれている分岐点に到着するる。地図には記されていないが、福井県の池田側から登ってきている道との合流地点の様だ。ここからは潅木を潜り抜け、露岩地帯を一気に登る。ロープの張られた場所もあったが、足場になりそうなホールドを選んで登ればロープの助けは要らないであろう。最後の斜面を登りきると頂上部へ出る。本来ならば奥美濃の山々が大展望ととなって眼前に広がっている筈なのであるが、丁度山頂に滞在している時間帯に、福井側から雲が次々やって来て視界が開けることが無かった。残念ではあったが、下山後に明日の山に備えて移動せざるを得ず、30分位の滞在で下山する事にした。

冠峠10:30→田代尾根の頭10:45→冠平11:05→冠山11:15/40→冠平11:45→田代尾根の頭12:05→冠峠12:20


マッターホルンの様な冠山


岐阜と福井の県境稜線


露岩地帯を登る


冠山の山頂

【大真子山】
6年9月11日
日 光
 カクリ会の山行で、日光の大真名子山に登った。前日に中禅寺湖畔の菖蒲ヶ浜キャンプ場で、恒例の夏季キャンプを実施して大宴会を開催する。午後2時前に始まったバーベキューを肴にしたパーティーが終わったのは夜11時近く、辺りのテントも大方が寝静まった頃であった。
 2日目5時少し前に起き出すと、東の空が明るくなって来ていた。明けの明星がひときは輝いている。今日も良い天気になりそうだ。暖かなラーメンの朝食を取ってから撤収作業を終え、キャンプ場を8時頃出発する。車で光徳牧場入口、裏男体林道、志津林道を経由して志津乗越まで入る。既に沢山の登山者が来ていて、志津乗越の周辺には沢山の車が停まっていた。乗越から少し志津林道を入ったところに車を止め、装備を固める事にする。我々は此処から北側の大真名子山方面を目指すのだか、大概の登山者は男体山か女峰山を目指している様で、我々と同じ方向を目指して歩く登山者は殆どいなかった。

 乗越から始まる登山道は、下草が良く繁った斜面を緩やかに登ってゆく。登山口から10分ほどで八海山神像と石碑が現れる。杉林の下に付けられた登山道をズンズント進んでいったが、歩き始めて30分弱でガレ場の急斜面が現れた。一般登山道にしては少々危ないルートだなと思っていると、先頭集団から「落石」の声が上がった。この時は13人パーティーの最後尾を歩いていたが、先頭は既に50〜60m上のガレた斜面を登っている。浮石を踏んでしまったらしい。少しおかしなルートだなと思いながらも、踏み跡はしっかりしているのと、先頭がどんどん進んでいる事もあり、ガレた斜面に取り付く。少し登ったところで、ガレた斜面の右側の樹林帯の中に赤テープが有ることが判り、途中からガレ場を離脱する事が出来た。落石の危険は無くなってホッとするが、それにしても頼りない登山道だ。赤テープが所々にあり登山ルートには違いない様だが、とても一般ルートには思えなかった。

 ガレ場の上部で一休みし、樹林帯の中を再び歩き始めるが、低い位置の枝や根が煩くて、なかなかピッチが上がらない。所々で遭遇する岩には巻き道が付いているが、ルートの判断に迷う場所が次々出てくる。急な斜面を登りきって視界の開けた場所に出ると、背後に男体山が大きく聳え立っていた。高度を比較すると、かなり高さを稼いだことが実感できた。杉の斜面を尚も登ってゆくと、突然広場に出た。正規の登山道であった。ここまでの登って来たルートと比べると、ハイウエーの様な良く整備された登山道であった。恐らくガレ場の下辺りで正規ルートを外れてしまったのであろう。山頂へは此処から約30分で到着した。途中に梯子や鎖場があったが、ガレた斜面から上の悪路に比べたら全然歩き易い。山頂からは眼前に男体山、白根山から皇海山へと続く奥日光の山々、背後には小真名子から那須方面へと続く山稜と、展望を楽しむ事が出来た大真名子山であった。
 
 下山時にルートを間違った場所を見つけたが、八海山神像と石碑から5分程登った所で、登山道は谷筋から直角に左に折れ曲がる。赤と黄色の標識が木の上の方に付いているが、下草の無い杉林を谷筋に直進する踏み跡が明瞭で、足元だけを見ているとルートを誤りやすい。左折地点に枯枝で印を付けてきたが、間違いやすいので要注意である。この日も我々の他に2パーティーが間違ったルートで登っていた。

志津乗越8:40→八海山神像上8:50→登山道出合い10:50/11:00→大真子山頂11:20/12:00→登山道出合い12:20/30→八海山神像上13:05/10→志津乗越13:20

志津乗越より大真子山方面


ガレ場が出現、落石注意


木をかき分けて進む


漸く正しい登山道に復帰


大真子山の山頂にて


【蓮華岳】
【針の木岳】
6年9月2
   〜3日
北アルプス
 天気予報を見ていると、アルプス方面の天気が良さそうである。金曜日に雪渓の様子を確認するため大沢小屋に電話で聞くと、今年は残雪が多く、九月に入った今でも充分雪渓が残っているとの事であった。盆休みに赤牛岳へのアプローチで黒部川側から見上げた針ノ木岳に、扇沢から針ノ木雪渓を詰めて上る事にした。


 現在、針ノ木・蓮華岳紀行を作成中です。

(1日目)扇沢6:40→大沢小屋7:40/55→雪渓下部8:30/40→雪渓上部9:30/35→蓮華沢9:50/10:00→針ノ木峠11:00/12:15→蓮華山13:10/14:30→針ノ木峠15:15
(2日目)針ノ木峠5:30→針ノ木山6:15/40→針ノ木峠7:10/8:10→雪渓上部8:40/55→雪渓下部9:30/40→赤沢10:10:20→扇沢11:00

針の木雪渓を登る


峠より蓮華山に登る
【赤牛岳】
6年8月13
   〜15日
北アルプス
 今年の盆休みに、かねてから念願の赤牛岳に登る事にした。当初は4日間の行程で、三俣蓮華側からアプローチする事も考えたのだが、休み初日の12日が悪天候で日程を1日短縮する事となり、黒部湖側から読売新道をピストンする事にした。

 詳しくは「赤牛岳紀行」を御参照ください。


(1日目)黒部ダム7:00→ロッジ黒くろよん7:40→梯子手前8:30/40→中の谷9:50/10:10→平の小屋10:35/渡船場12:20→奥黒部ヒュッテ14:45 
(2日目)奥黒部ヒュッテ5:20→「1/8」5:55/6:05→「2.5/8」6:50/7:00→「4/8」8:00/15→「5/6」8:50/9:00→「6.5/8」10:00/10→赤牛岳11:00/30→「5/6」12:15/30→「3/8」1:30/45→「1/8」2:50/3:00→奥黒部ヒュッテ3:20
(3日目)奥黒部ヒュッテ5:55→渡船場7:50/平の小屋10:45→御山谷13:30/14:10→ロッジ黒くろよん14:40→黒部ダム13:20

黒部湖沿いの桟道を進む


読売新道を登り赤牛岳へ

【神威岳】
6年8月8日
北海道
 7月の連休に満を持して登ろうとしたのだが、直前の大雨で林道がクローズしてしまい転進を余儀なくされた神威岳に、再チャレンジする事にした。初日に空路千歳に飛び、レンタカーで日高を目指す。静内で買物を済ませ三石からサラブレッドロードを北上、2週間前に閉まっていたゲートを無事通過。初日は神威山荘まで入り、此処で幕営した。今回は熊の領域に入り込んだところでの幕営で、匂いの出る「焼物」は控えた献立だ。食事を済ませてウイスキーの水割りを飲んでいると、隣に幕営していた札幌から来た二人連れに声をかけられ、宴に招かれた。コマエの干物や焼いた夏野菜等を美味しく戴く。毎年、日高の山を登っているそうでペテガリにも登っていると言う。神威小屋は綺麗な小屋で、10〜15人は楽に泊まれる小屋であったが、この日は小山周りに6張のテントが張られていた。明朝に備えて10時前にはシュラフに潜り込んだ。


 翌日は4時に起床し、5時に出発した。既に出発している登山者が多く、神威岳を目指す登山者の中では最後発の様であった。歩き始めて直ぐニシュオマナイ川を渡り川の左岸を進む。暫らくは林道跡の様であったが、二股付近からは道幅が狭くなり、渡渉を繰り返しながらの道となった。ここで持参した渓流シューズに履き替えれば良かったのだが、石伝いでも行けそうで横着をしてしまったのが運のつき。遭えなく足を滑らせ最初の渡渉で転倒する。油断していたのかカメラに防水カバーをかけていなかった。一瞬ではあったが冠水してしまいい、残念ながらカメラは正常動作が出来なくなった。嘆いてもしょうがないと、気を取り直して歩き始める。空気が乾燥しているせいか、濡れたズボンは間も無く乾いてきたが、カメラは元に戻らなかった。(合掌)


 沢の渡り返しは所々でルートファインディングがいるが、赤いテープを外さなければほぼ問題なく歩けるであろう。石に付けられたマーキングとテープを注意深く辿りながら、約2時間少々で上二股に到着する。此処から右手に伸びる急傾斜の直登沢を登って行くと尾根道への取り付きが現れた。沢からの取り付き部分には大きな赤い印がついており、間違える事は無いであろう。ここから標高差800mの急登りが始まった。尾根取り付きの急登は珍しくは無いが、大抵の山は尾根に取り付き暫らくすると、傾斜が緩くなるものであるが、神威岳は違っていた。ザックを置くと下に転がり落ちそうな斜面が延々と続き、荷物を下ろす平らな場所が無いのだ。両手両足をフル稼働して高度を一気に稼ぐ。木々の間から、数年前に上ったペテガリ岳が望める様になると漸く傾斜が緩くなった。此処から何度か急坂を登りきり、ハイマツ帯が現れる様になると山頂はもう一息となる。人の手の入っていない日高の山景色を望みながら、視界の効く斜面を登りきると神威岳の山頂に到着した。さっきまで晴れ渡っていた空に雲がかかり始め、南方方面の視界が今ひとつであったのが残念だ。山頂に吹く風は結構冷たく、汗が引くと肌寒いほどである。長い林道、沢の渡渉、急な斜面の末に辿りついた日高神威岳の山頂は、ひときは味わい深いものであった。



神威山荘5:05→下二股→尾根取り付き→付近→神威岳→付近→尾根取り付き→神威山荘

神威山荘


渡渉を繰り返しながら登る


上二股


急登の連続


日高の山並みを望む


神威岳山頂

バック
  ナンバー
2006年5〜7月  (米山、毛勝山、金北山、神室山、摩耶山、南月山、二王子岳、杁差岳、狩場山、大千間岳)
2006年1〜4月  (高宕山、伊予ヶ岳、高塚山、一切経山、道後山、吾妻山、名岐山)
2005年10〜12月(奥茶臼山、鉢盛山、栗駒山、涌蓋山、大船山、経ヶ岳、青梅黒姫山、備前楯山、山上ヶ岳、藤原岳)
2005年9月    (祝瓶山、三方岩山、川上岳、奥三界山、乳頭山、太平山、羽黒山)
2005年7〜8月  (笠ヶ岳、オプタテシケ、ニセイカウシュッペ、女峰山、半月山、アサヨ峰、浅草岳、熊伏山)
2005年6月    (荒海山、二岐山、三嶺、三本杭、篠山、瓶ヶ森、伊予富士、国師ヶ岳・北奥千丈、小楢山、粟ヶ岳)
2005年1〜5月  (黒岳、三峰、高見山、竜門山、具留尊山、位山、男鹿山、シラビソ山、袈裟丸山、ニセコ、駒ヶ岳、安平路)
2004年9〜12月 (日和田山、徳本峠、霞沢岳、斑尾山、烏帽子岳・野口五郎岳、五葉山、堅破山、鶴見岳、背振山)
2004年6〜8月  (能郷白山、暑寒別岳、余市岳、千波山、千頭星山、ペテガリ岳、鳥甲山、御神楽岳、池口岳、白石山)
2004年1〜5月  (三毳山、山伏山、東赤石岳、笹ヶ峰、蓑山、釈迦ヶ岳、猿ヶ馬場山、二王子山、小秀山、相馬岳)
2003年8〜12月 (姫神山、白神山、森吉山、秋田駒ヶ岳、鳳凰山、鋸岳、黒姫山、餓鬼岳、至仏山、鋸山)
2003年5〜7月  (景鶴山、多良山、櫛形山、会津朝日岳、荒沢岳、天塩岳、ニペソツ岳、石狩岳)
2003年1〜4月  (岩戸山、臼杵山、大山、茅ヶ岳、武無ヶ岳、蓬莱山、御在所山)
2002年9〜12月 (守門岳、燕岳・大天井岳、乾徳山、黒帽子岳、三国山、足尾山)
2002年6〜8月  (三窪高原、中ノ岳、位山、伊吹山、太郎山、焼石岳、和賀岳、女峰山、聖岳・上河内岳・光岳)
2002年4〜5月  (釈迦ヶ岳、伯母子岳、護摩壇山、鳴神山、大佐飛山、上蒜山、三瓶山、有明山、経ヶ岳)
2002年3月    (浅間黒斑、大崩山、傾山、国見山、達磨山、泉ヶ岳、氷ノ山)
2002年1月〜2月(白井指・猪狩山・秩父御岳、宝登山、金時山、高松山・シダンゴ山、鍋割山・塔ノ岳)
2001年11〜12月(船形山、笹尾根、八丁廃村、八溝山)
2001年9〜10月 (猿ヶ馬場、間ノ岳・農鳥岳、雲仙、荒船、金剛、樽前、市房、尾鈴)
2001年6〜8月  (畦ヶ丸、英彦山、由布岳、夕張岳、芦別岳、カムイエクウチカウシ、奥白根)
2001年4〜5月  (弟富士山・若御子峠、大蔵山・菅名山、藻岩山、笈ヶ岳、帝釈山)
2001年3月    (箱根神山、御正体山、大反山・若御子山)
2001年1〜2月  (大持山他、大霧山他、皇鈴山他、御殿山、城峰山、陣見山他)
2000年10〜12月(籠ノ登山、秩父破風山、白根山、加波山)
2000年8〜9月  (槍ヶ岳・巻機山・北横岳・金剛堂山・白木峰・奥穂高岳)
2000年7月    (北横岳・縞枯山、那須三本槍ヶ岳、朝日岳、薬師岳)
2000年5〜6月  (医王山・人形山・野伏山、雲取山、大室山、檜洞丸・蛭ヶ岳)