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新しい山 コ メ ン ト
【相馬岳】
 西上州
4年5月30日
 天気予報では午後から雨。午前中に登って来れる山と言うことで、西上州の妙義山の相馬岳に登る事にする。妙義山は、岩峰が屏風状に垂直に屹立している独特の形を持った山で、鎖場や難所の多い山として知られている。本来のルートは妙義神社から白雲岳に上がり、ここから最高点の相馬岳を越えて、金洞岳まで縦走するのが定番であるが、途中には鷹戻し等の難所が数多くある。今回は、最も短い時間で三角点ピークを踏める、裏妙義国民宿舎側から一気に相馬岳に登りつめるルートをとる事にした。

 登山口は国民宿舎へ行く橋の反対側に付けられている。登山口の標識の手前に作業車が通れる幅の道が付いていて、暫らくは幅の広い道を登っていく、10分程度歩くと登山道の始まりだ。いきなりの急斜面の登りがが続く。稜線を辿りながら40分程で、視界の開けた展望台に到着した。登山口のある中木川を挟んで、御岳、丁須の頭、烏帽子岩と言った裏妙義の眺めがすこぶる良い。展望台から先の登山道は、細い稜線を縫うように進む様になる。途中でハーケンの打ち込まれた岩場を越える場所等があるが、確保は充分で危険な箇所は無かった。相馬岳からの主稜線に突き上げる部分には、40mの鎖が張られていて急斜面を登るが、ここも足場には所々にハーケンが打ち込まれていて、心中に確保しながら登れば危険は無いだろう。

 鎖場を登りきってから約15分、相馬岳の山頂に到達した。山頂は東側と北側が樹林に覆われ、南〜西方面の視界しか開けてないが、八風山や浅間山の眺めが素晴らしかった。朝早いせいもあるが、山頂では殆ど人に出会う事は無かった。恐らく多くの登山者は白雲岳わ目指すのであろう。機会があれば、今度は妙義神社側から白雲岳に登ってみる事にしよう。

国民宿舎登山口(6:00)→展望台(6:45/7:05)→鎖場上(7:45)→相馬岳(8:00/8:50)→見晴台(9:40/55)→国民宿舎登山口(10:30)

杉林の中の一本道


鎖場を登る


相馬岳山頂より裏妙義方面

【小秀山】
 美 濃
4年5月21日
 季節はずれの台風二号が本州の南岸を駆け抜けた。台風一過の好天を期待して、美濃の小秀山に登る事にする。小秀山は岐阜・長野の境に位置していて、御嶽山の展望台になつている。先週と同じぐらいの3時前に出発して、今度は中央道でを中津川まで走り、ここから下呂方面へ。登山口となっている夫婦渓谷キャンプ場には、先週同様7時過ぎに到着する事が出来た。キャンプ場へ真っ直ぐ進む道は、現在工事中で通行止になっているが、一旦「白川けの対岸に渡ってキャンプ場の手前で合流する迂回路が設けられていて、普通の車でキャンプ場までは問題なく入れる。

 キャンプ場の奥にある駐車場から、林道歩き30分で登山口の造林小屋に到着。ここから登山道の始まりだ。暫らくは植林された檜林の中を、仕事道と交錯しながにジグザグに登る単調な道が続。約30分ほど登り尾根筋の左肩を進む様になると、明るい自然林を歩くようになった。先週登った越後の二王子に比べ、春の訪れが早いのであろう、木々香りが強い。片斜面となった登山道を進んでいくと、今は廃道となっている二の沢から上がってくるルートとの合流点に達した。二の沢ルート進入禁止の大きな看板が立っているが、何年も歩かれていないのだろう、ルートは下草に覆われていて、看板が無ければ分岐点である事が判らない位だ。

 分岐点から兜岩までは約15分程であるが、小秀へのルートの中で最も急な部分であった。岩場を越えて行くが足場はしっかりしていて危険な箇所は無い。兜岩から先は、一転して平坦な道に変る。湿気を帯びた笹原とツガやシラビツの樹林帯を、緩やかなアップダウンで何度か繰り返すと、小秀山山頂に到着した。山頂からは正面に御嶽山が望めるはずなのだが、生憎の曇り空。残念ながら期待した大展望を得る事は出来なかった。風も無く穏やかな山頂に佇むのもまた一興。春から夏に向けて葉を茂らす、ムセブ様な樹の香りが印象的な小秀山であった。


乙女渓谷キャンプ場(7:25)→登山口(8:00)→分岐迄の中間点(8:20/30)→二の谷分岐(9:20/35)→兜岩(9:50)→小秀山山頂(10:30/11:30)→第三高原(11:40/50)→兜岩(12:15/30)→分岐迄の中間点(13:20/30)→登山口(14:00)→乙女渓谷キャンプ場(14:30)

濃い緑の中を登る登山道


「兜岩」の岩場


なだらかな頂上部


小秀山山頂

【二王子山】
 越 後
4年5月15日
 今年の春山は何処も残雪が少ない様で、6月に登る事を考えていた新潟の二王子岳に登る事にした。3時前に東京を出発して関越道をひたすら北上、最近開通した日本海東北道の新発田インタで降りて、一般道を二王子神社登山口へ。高速道路のお陰で7時過ぎには登山口の神社に着く事が出来た。神社の周囲にはトイレや水場の他、炊事場もあり幕営するにも都合の良い場所の様だ。

 神社の脇から始まる登山道は、沢筋に沿って樹林帯の中を進んでいく。五月だと言うのに緑の色が濃く、今年の春が早かった事を感じながら登っていくと15分もたたない内に「一合目」の標識が現れる。「二合目」の標識には水場もあったが、未だ休むのには早い。歩き始めて40分弱で「一王子小屋」の立つ三合目に辿りついた。ここで一休み、握飯で小腹を満たす。

 ここからは緩やかな尾根道になり、所々で残雪が現れる様になった。次第に高度を増すようになり、五合目の標識がある定高山を過ぎた辺りからは展望も開けるようになった。残雪の斜面と芽吹き始めた緑木々の緑、眼下には新発田の平野ト日本海、すぐそこに粟島も見える。足元に目を落とせば、カタクリ、ショウジョウバカマ、イワウチワの花々が目を飽きさせない。展望を背に残雪の斜面と、土の登山道を繰り返していくと、やがて「油コボシ」と名付けられた鞍部に達する。この時期は残雪に覆われているが、地形からして夏には湿地帯となり、高山植物の花々が楽しめる場所になるのだろう。越後の山は、山の高い場所の鞍部に湿原がある山が多い。冬の豪雪が大量の水を供給する事で、「山上の楽園」とも見える頂上部の湿原を存在させているのであろう。

 鞍部から先は、再び残雪の斜面となる。残雪帯と雪が解けて露出した登山道を繰り返し、八合目標識を過ぎた辺りからは、木々も疎らとなり展望を楽しみながらの登りとなった。9合目の祠からほんの一息で、二王子岳の山頂に到着、残雪の飯豊連峰を正面に見据える山頂は、すこぶる展望が良い。風が強かったが、お陰で雲が流されて残雪まとった飯豊の山並みが正面にクックリと見える。振返れば眼下に日本海、背後は磐越線を挟んで菅名・大蔵、御神楽と続く峰峰。360度の大展望を楽しむ事が出来た二王子山頂であった。

二王子神社(7:30)→三合目・一王子小屋(8:05/15)→油こぼし(9:20/30)→二王子岳山頂(10:00/10:50)→三合目・一王子小屋(11:45/12:00)→二王子神社(12:30)

新緑の中を登る


振り向けばに日本海


二王子岳山頂部分を望む


二王子山頂から飯豊連峰
【猿ヶ馬場山】
 北 陸
4年5月2日
 以前、雪の無い時期に登った猿ヶ馬場に、残雪を踏んで再び登る事にした。今回は東京から6名、長岡から2名、名古屋と岐阜から1名の計10名の混成パーティーで、以前無雪期の猿ヶ馬場を案内していただいた事があり、猿ヶ馬場には26回目と言うT氏の案内で山頂を目指す。

 連休初日の5月1日に白川郷まで入ったが、今年は暖かく周囲の山に余り雪が残っていない。部落の周りの木々は、もう若草色に芽吹いている。五月のこの時期に何度も白川郷に来ているが、今年は最も暖かい感じがした。初日は、白川郷から猿ヶ馬場へと登っている林道の途中(標高800m付近)で幕営、翌日の登山に備える事にする。

 2日目、未だ暗い朝4時に起床、テントを撤収し朝食を済ませ、5時半過ぎに出発する。暫らくは林道歩きだ。標高850m付近で分岐する林道を折り返し、林道が宮沢との合流点(標高1100m付近)から雪の斜面に取り付く。ここから標高差200mの急斜面を一気に登る。雪は良くしまっており、アイゼンが気持ちよく足場を確保していく。以前に使用していた12本ツメアイゼンは、ビスが欠落する事が有り去年の景鶴では往生した経験から、今回はビスの無い10本ツメのアイゼンを新調、初めての使用に若干の不安が有ったが、今回は終日、気分良く歩く事が出来た。急斜面の上部は笹や木の根が露出している部分があり歩き難い場所が結構出てくる。落石にも注意が必要だ。今回、雪の塊だと思った落石が右膝に当り、ヒヤッとする場面も有ったが、何とか標高1300mの稜線部分に突き上げる事が出来た。

 稜線部から先は、なだらかで気分の良い尾根道が続く。緩やかにアップダウンを繰り返し帰雲山の手前まで来ると、木々が疎らになり視界が開ける。白山の山塊が青空に浮かんで見えるのが、なんとも素晴らしい。猿ヶ馬場までの稜線は結構な距離があるのだが、展望を楽しみながら歩いたからか、時間があっと言う間で距離感を感じさせないトレールであった。登りはじめてから約5時間弱で、猿ヶ馬場の山頂に立つ事が出来た。以前9月の無雪期に、天羽峠から籾糠山を経由して藪を漕いで来た事があったが、その時は何処が山頂だか判らない「山頂付近」に辿りついた状況だったが、今回は山頂を記した標識も認識する事が出来た。風も無く穏やかな山頂からは、北アルプスの山々も望む事が出来る。360度の大展望を楽しみながら登頂感に浸った猿ヶ馬場の山頂であった。

林道幕営地(5:40)→林道終点(7:00)→猿ヶ馬場(10:15/11:00)→林道赤テープ(13:45)→林道幕営地(14:.30)

急斜面に取り付く


稜線部までもう一息


眺めの良い稜線歩き


白山の山塊


猿ヶ馬場の山頂にて
【釈迦ヶ岳】
【鶏冠山】
 那 須
4年4月25日
 北関東で手頃に登れる高原山は、日塩もみじライン沿いの鶏冠山スキー場から登りはじめる。一般的にはメイプルヒルスキー場の西登山口から登られている様であるが、ゲレンデのトップまではエーデルワイス、鶏冠山、メイプルヒルの何れのスキー場からも道が付いている。西登山口と思って車を停めた駐車場は、鶏冠山荘のある鶏冠山スキー場の駐車場であった。真冬を思わせる冷たい風の吹く中、歩き始めることにしたが、スキ場の中はどのコースを辿って良いのか一瞬迷う。どのコースを辿っても、結局はゲレンデトップに辿りつくのだが、「鶏冠山登拝路」の赤い矢印に従って歩いて行く事にした。

 昨夜降った雪が薄っすらと地面を覆っていて、登山靴の底で団子状に固まって歩き難い。ストックでたたいて雪の塊を払うのだが、直ぐ新しい雪の塊が出来る。スパッツを止めているゴムが原因の様であった。ゲレンデの最上部から林の中を少し歩くと、祠のある弁天沼に出る。此処で鶏冠山へ行く道と釈迦ヶ岳へ行く道が分岐しているのだが、先ずは標高の高い釈迦ヶ岳への道を歩く事にした。途中から登山道は残雪に覆われる様になり、笹に覆われたルートが判別し難くなる箇所があるが、地形と要所に付いている赤テープを目印にすれば迷う事は無いだろう。稜線部から笹の中をアップダウンを繰り返し、弁天沼から約1時間で釈迦ヶ岳の山頂に到着した。山頂部には大仏像が設置されていて、その影で風を避けて一休み。

 風の強い山頂から来た道を引き返して、稜線を辿って今度は鶏冠山を目指す。稜線をトラバースする部分は歩く人が少ないのか道がよく踏まれていない。笹をかき分けながら進んでいく。この時期は朝露の心配がないのは幸いだ。釈迦ヶ岳からは約50分で鶏冠山に達する事が出来た。こちらの山頂は風を遮る木々もあり、正面に先ほど登った真ん丸とした釈迦ヶ岳を眺めながら、ゆっくりと休む事が出来た。

鶏冠山登山口(7:30)→ゲレンデ最上部(8:05)→弁天沼(8:20/30)→釈迦ヶ岳(9:30/10:00)→鶏冠山(10:50/11:15)→弁天沼(11:35)→ゲレンデ最上部(11:55/12:15)→鶏冠山登山口(12:25)

登山口スキー場


笹を掻き分けて釈迦岳へ


釈迦岳の山頂


気分の良い高原歩き
【蓑 山】
 奥武蔵
4年4月17日
 カタクリ会の第110回山行で、奥武蔵の蓑山に登った。朝一の西武線特急電車は、西武秩父駅に8時過ぎに着く。秩父鉄道皆野駅での集合時間まで2時間程度の余裕があり、予定では午後に立ち寄る予定だった羊山公園に、朝立ち寄った。羊山公園は24万株の芝桜が植えられていて、ピンクや白の芝桜の花が、まるで絨毯の様に綺麗だった。9時前にもかかわらず結構大勢の人が出ていて、午後にはさぞかし賑わう事であろう。ただ斜面によってはまだ咲いていない所も有り、来週末が一番の見頃かもしれない。

 芝桜を堪能してから秩父鉄道の皆野駅へ移動、此処で集まり蓑山を目指して歩き始める事にする。今回の山行はOBも含めて総勢21人、久しぶりの賑やかな山行となった。駅から30分位は舗装道路を歩く事になるが、山の中腹に設けられた別荘地帯を抜けると、道は次第に登山道らしくなってきた。北側から登ってきた道と合流し、標識の無い分岐を右に曲がってからは、階段状の登りが続く様になる。東屋を過ぎて赤いテープを目印に登って行くと、山つつじの中を進む様になった。新緑の森の中、オレンジ色の山躑躅の花が映えている。まだ蕾の花も多く、これも来週位が見頃になるだろう。

 躑躅の群生している斜面を抜けると、蓑山の山頂部分に到達だ。蓑山の山頂一帯には沢山の桜の木が植えられていて、園地の中からは外秩父の展望も良い。ソメイヨシノは花を落としていたが、白や薄紅色のサトザクラが丁度見頃であった。桜の花吹雪の下は、昼食を採るには絶好の場所で、我々も桜の木の下で弁当の包みを開いた。

皆野駅(10:45)→登山道分岐(11:20/40)→蓑山(12:10/13:00)→黒谷駅(14:20)

羊山公園の芝桜


ツツジの咲く中を登る


総勢21名と賑やかだった蓑山山行

【笹ヶ峰】
 四 国
4年4月10日
 初日に東赤石山から下山してから高知へ移動、明るうちに高知市内に着く事が出来たので、歌に聞こえる「はりまやばし」に立ち寄る。復元された朱塗りの橋は小さな橋だった。宿で汗を流してから、「鰹のタタキ」を求めて街に繰り出した。先ずは「はりまや橋」近くの居酒屋で、「暖かな鰹のタタキ」を戴く。ニンニクは薄くスライスしてあり、これをかじりながら食べるのだが、摩り下ろした時より香りがマイルドで、鰹の味が引き立つ感じがした。二軒目は蓮池通り付近の店に移動、ここでも「鰹のタタキ」を戴いたが、藁で炙りたてのタタキは香りがよく絶品だった。ウツボの刺身や、鯨の囀を戴いた後、鰹の御茶漬けで締める。

 翌日は、昨日登った東赤石山の西側に位置する笹ヶ峰に登る事にする。寒風山トンネル脇の駐車場を8時過ぎに出発、ひと登りで稜線部分の桑瀬峠にたどり着いた。この辺りの稜線部分は笹に覆われている部分が多く、展望は申し分ない。伊予富士へと進む登山道を背に、笹原の中を寒風山へと伸びている気持の良い登山道を進む事にする。寒風山へは標高差約300mの登りだ。山頂部分の丸い笹ヶ峰と対照的に、大きな岩肌が重なって見える寒風山へは、梯子やロープの急登が続いていた。急登の割りに疲労感が少なかったのは、次々と変貌する展望を楽しみながら進んでいくうち、いつの間にか高度を稼いでいる登山道のなせる業だろう。峠から40分程で寒風山に辿りついた。

 寒風山の山頂部を下ってから先は、正面に笹ヶ峰を見据えながら、緩やかな稜線沿いの道が続いている。距離はそこそこあるがテンポ良く歩いてゆける。四国山地の眺望を楽しみながら歩くこと約1時間で笹ヶ峰の山頂に到着。展望は360度、正面には昨日登った東赤石へと続く山脈、遠くには剣・三峰辺りと思われる山並、振返ると瓶ヶ森から石鎚へと続く山並...眺望の良い気分の良い山頂だ。めったに来る事の無い四国の山だが、登ってみたいと思わせる頂が沢山ある。まだアルプスや本州の高山が雪に覆われているこの季節、何時の日にかまた訪ねてみたい四国の頂であった。

寒風山トンネル登山口(8:05)→桑瀬峠(8:35/45)→寒風山(9:20/30)→笹ヶ峰(10:35/11:00)→寒風山(12:00/15)→桑瀬峠(12:50/13:00)→寒風山トンネル登山口(13:20)

桑瀬峠から寒風山を望む


笹ヶ峰へ伸びる稜線


笹ヶ峰山頂


笹ヶ峰山頂から石鎚方面
【東赤石岳】
 四 国
4年4月11日
 羽田から空路高松へとび、四国の山に登る事にする。高松空港を起点にしたのは、飛行機の四国に到着するの時間が一番早い8時だったかからで、これ以上遅い到着になると初日に登るのが難しくなる事からの選択だった。レンタカーを借りて、朝食は讃岐名物のうどんを製麺所併設のうどんやで済ませる。残念ながら期待したほどの味ではなかった(浜松町の金毘羅の方が美味しい)が、やはり香川に来たらうどんは外せない。高速で伊予三島に移動して、ここから一般道で登山口となっている別子村へ移動、登山口についた時には11時近くになっていた。

 4月にしては暑い日で、夏の登山服装で瀬場の登山口から歩き始める。新緑の中を進む登山道だか、足元の石を見るとキラキラ光っている。細かな金属の粒子が石に混じっている様だ。かつて世界一の銅産出量を誇った別子銅山のある村だけあって、そこかしこに転がっている石も鉱物質の含有量が多いのであろう。数分で筏津からの登山道と合流し、瀬場谷の斜面に設けられた登山道を進んでいく。谷は深く高度感があるが、登山道の道幅が広く危険な箇所は無い。

 歩き始めて約35分で瀬場谷分岐点に到着する。造林している地元のおじさんが昼御飯を食べていて「少し遅いけれど大丈夫?」と声をかけられた。確かに登り始めるには、如何にも遅い時間だ。ココから先、右に分岐している瀬場支流沿いの道を進む事にする。途中、沢を何度か渡渉するが水量は少なく登山靴を濡らすことも無かった。針葉樹林帯を抜け明るい潅木帯になると間も無くトラバース道と合流、正面を見上げると赤石山頂部分の岩壁が切り立っていた。ここから横道を左に進み、道標から急な斜面を直登、赤石越から山頂部へ最後の登りにとりかかる。日陰には残雪が凍りついていて、滑らぬように注意深く進んでいくと、一気に視界が開け東赤石山の山頂に到着した。眼下には春霞にかすむ瀬戸内海、西には西赤石、笹ヶ峰、石鎚へと続く主稜線、南には高知へと続く山塊の連なり、何時もとは違った山景色を楽しみながら、広域図を広げ山座同定を試みた東赤石山の山頂であつた。


瀬場登山口(11:10)→瀬場谷分岐(11:45)→横道合流(13:00)→東赤石山(13:20/13:50)→瀬場谷分岐(14:45/15:00)→瀬場登山口(15:30)

東赤石山


瀬場谷分岐


東赤石山頂部の岩壁


東赤石山の山頂

【山伏山】
 阿部奥
3年4月3日
 久しぶりに山らしい山を歩きたくなった。昨年秋10月に、尾瀬の至仏で深田100名山を完登して以来、山らしい山を歩いていない。足が訛っているに違いなく、この辺で歩いておかないとシーズンインしても足がついていかない。また先週訪ねた北関東の三山は人また人で、行くならば静かな山がいい。この時期、信州の山々はまだ残雪に覆われており手軽には登れないし...と思いながら、山らしくて、静かで、雪が少なく、それでいてアルプスをまじかに望める阿部奥の山伏山に登る事にした。

 東京の自宅を3時舞うに出発、東名の清水インタから一般道を梅ヶ島へ走り、登山口へ6時過ぎに到着。早速、身支度を整えて...と、スパッツを忘れた。残雪対策の日焼け止めも無い。降雪期用の予備手袋も..。久しぶりの山行に体もとまどっているが、段取りも今ひとつパッとしない。まあこんなものかと、一人苦笑い。朝のピリツとした空気の中、静かに歩き始める事にした。

 登山道ははじめの内、沢筋に沿って自然林と杉林の中を交互に進んでいく。ゆっくり歩いているつもりなのだが、久しぶりの山行で自然と足のツチがピ速くなる。オーバーペースにならない様、所々で意識して立止まる。登山口駐車場から30分弱で山葵田に到着、セーターを脱いで温度調節をする。ここから先は傾斜がきつくなり、所々ガレた斜面も出てくるが、道はしっかりしていて所々には補助ロープもあり危険な処は無い。中間点のヨモギ峠から先は、明るい自然林の尾根筋を進む様になったが、標高1500mを越えた辺りから雪が現れ始めた。残雪と言うより、数日前の雨が雪になった感じで、ふわっとした感触だ。前回の降雪からまだ人が一人も入っていない様で、まっさらな雪の斜面に足跡を付けながら歩みを進めていく。山頂部の平坦部分まであと数百mの辺りからは、雪が深くなった。所々凍結している部分も有り、念のため軽アイゼンを装着する。

 ヨモギ峠から約1時間で平坦な山頂部分に到着、少し先で牛首峠からの道と合流し、ひと登りすると笹原で展望がひらけた山頂に到着した。笊ヶ岳から南下している稜線の向こうには荒川岳、赤石岳、聖岳と白銀の南アルプス南部の巨人達が聳え立っている。青空のもと、久しぶりの大展望が楽しめた山伏岳の山頂であった。

西日影沢登山口(6:30)→ワサビ田(6:55/7:05)→水場(7:25/7:35)→ヨモギ峠(7:50/8:00)→山伏山頂(9:10/10:30)→ヨモギ峠(11:20/11:30)→西日影沢登山口(12:20)

西日陰沢登山口


ヨモギ峠付近の登山道


標高1700m付近


山伏岳の山頂

【三山】
 栃 木
3年3月27日
 関東平野を東北自動車道で北上する時、最初に山らしい山が見えてくるのは佐野SAの辺りであるが、この最初に見えて来る山が三山である。標高は229m、山と言うより丘といった方が言い位の丘陵地だ。この山を有名にしているのが、斜面に自生しているカタクリの花で、4月の初め頃は斜面一面がカタクリの大群落で埋まると言う。今回のカタクリ山行では、「カタクリの花」を求めて三山に登る事にした。

 斜面の東側にある栃木花センタに車を停めて、此処から歩き出す。東京からも近く手近に訪ねられる三山は大勢の人で賑わっていた。まずは南側のピーク中岳を目指して階段状の遊歩道を歩く。途中カタクリの群落を抜けてひと登りすると南岳に到着、狭いピークは大勢の人で溢れていた。ここから最高地点の北ピーク迄は約30分、気分の良い登山道を辿って行くと三山の山頂に到着だ。ここで昼食を摂った後、北斜面を降りていくとカタクリの大群落が現れた。見渡す限り薄紫色したカタクリの絨毯が続いている様は見事なものだ。所々には白いヒトリシズカも咲いている。登山道はカタクリを求めてやった来た大勢の環境客で埋まっていたが、動かないという程ではない。可憐なカタクリの花を愛でながら、そぞろ歩きが楽しめる三山は、半年ぶりの足慣しには丁度良い楽しい山であった。

山の山頂にて


カタクリの群生
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