2001年の登り初めに、冬枯れの奥武蔵を歩く事にした。秩父鉄道の「浦山口」駅から「武甲山」に登り、そこから「大持山」「武川山」「伊豆ヶ岳」をミニ縦走して、西武線の正丸に降りようと言う、少々欲張ったルートである
この冬一番の冷え込みの中、橋立林道の終点から登山道を登り始めた。暗い杉林をジグザグに登り稜線まで登ると、木々の上に武甲の頂きが顔を出している。参道合流地点から御岳神社を越えて、展望台に登ると、秩父盆地の向こうに、日光白根から白銀の谷川連峰、浅間山、両神山、そして北アルプスの峰まで臨む事が出来た。
武甲山からは子持山へは、一旦200mほど下り再び登り返す。気温が低く余り汗はかかなかったが、体が一気に温まった。登り返したピーク子持山は、狭いながら北面の展望が開けており、振り返ると先ほど踏んだ武甲の巨体が、正面に堂々とそびえていた。子持山から大持山迄は僅かな距離であるが、本行程の中で唯一山道らしい稜線歩きとなる。道幅も狭くなり、所々で露出している岩肌を、木の幹を捉まりながら乗り越えていく。
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子持山から武甲山を振り返る
大持山へ至る登山道
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浦山口から歩き始めて約4時間、奥武蔵の「へそ」に位置する大持山に到達、ここで昼食をとる事にした。熱い豚汁が美味しい。朝のうち晴れていた空は、何時の間にか曇空となり、底冷えのする天気となってきた。風が無いのがせめてもの救いだ。 |
大持山から妻坂峠への下り
武川山の山頂
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大持山から奥多摩方面への縦走路と分岐し、枯れた木立のプロムナードを下り(写真右)、妻坂峠を越えて武川山に向かう。妻坂峠から武川山への上り返しは急坂で、乾燥した土肌を一歩一歩登っていく。ぬかるんでいないのが、せめてもの救いで、雪でも着いた日には、通過に難渋しそうである。喘ぎながら漸く辿り付いた武川山の山頂では、幾組かのパーティーが昼食を摂っており、此処がこの日唯一賑わっていた山頂であった。
武川山からは、山伏峠に下り伊豆ヶ岳を目指した。山伏峠付近は登山道が付け変わっており、指導票は金網に沿って左に進む表示になっているが、右手すぐの処に車道へ降りる階段付いている。(車道側には武川登山口の標識あり)車道を渡り、階段状の急登を登返し、この日最後のピーク伊豆ヶ岳に到着した頃には、いつ雪が降り始めてもおかしくないような空模様になってきた。手早くコーヒーを沸かし暖をとった後、正丸峠を経由して、西武線の正丸駅に下山した。
とにかく寒い一日(この日の夕方から東京でも初雪が降った。)であったが、冬枯れの奥武蔵で静かな山歩きを楽しむことが出来た。ただ日が短いこの時期、午後の行程は日没との競争になり、暖を取るために御湯を沸かす時間も勿体無く感じられる程になる。次回は保温性の水筒に熱いコーヒーを入れていくことにしよう。もっとも、もっと短い行程にすればよいだけなのだが...。 |
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