波久礼駅 〜 出牛  2001年2月18日 歩行時間 :約5時間
 波久礼駅  → 陣見山  → 送電鉄塔下 → 陣見山 → 不動山 →  出牛峠  →  出牛
 8:00発     9:20着     10:00    10:30   12:00着  13:00着   13:45着
            9:30発                      12:15発
   13:30発   



 秩父鉄道の波久礼駅から、先週「城峰山」から下山した「出牛」の部落迄を、歩き繋ぐ事にしました。奥武蔵の山に出かける時には、何時も池袋から西武線を使って秩父に出ていたのですが、今回始めて東武東上線で行く事にします。池袋から約1時間の、小川町の駅で寄居行きに乗り換えるのですが、まずここで失敗。6時45分に小川町に着いて、ホームの時刻表を見ると、停車中の列車の発車は55分。余裕を持って「お手洗い」から戻ると、列車がいないのです。よくよく見ると55分は、4時55の始発列車でした。さっき停まっていたのは6時50分の列車でした。列車の中にザックを置かずにおいて良かった。
 待つ事約10分。やがて入線してきた、寄居からの折り返し列車に乗り込みました。すると間もなく、向かいのホームに池袋方面から列車が到着、「何で降りない人がいるんだろう。」と思っている間にドアが閉まり、静かに寄居方面に走っていきます。実は、次の7時2分の寄居行きは直通列車で、私が座っていたのは7時25の折り返し列車だったのです。慣れない電車を使うと、ろくな事はないもんです。結局、何時もの西武線を経由していくのより、遅い時刻での波久礼駅到着となりました。まあ、今日は時間に余裕があるし、のんびりいこうやと、自分に言い訳...。


荒川の川面に落ちる
北秩父の山陰



陣見山へ続く稜線部



陣見山頂を占拠する中継施設



次第に藪が煩くなって...



左が不動山、遠くは西上州の山並



不動山の山頂
 波久礼駅から登山口までは、荒川に沿った国道を歩きます。冬枯れの山影が川面に落ちて、なんとも言えない佇まいでした。八幡神社から砂利道に入り、民家の庭先を通り抜けると、仕事道に行き当たります。ここを右折して20〜30m行ったところが、大槻峠への登り道です。この辺り、登山道と言うより仕事道で、指導標は全くありませんでした。この大槻峠への仕事道は、結構荒れた道で、倒木や草藪が少々煩い登りでした。大槻峠からは、防火帯の為でしょうか、幅の広い尾根沿いの道になります。北側は杉の植林された暗い林ですが、荒川側は明るい自然林で、左右対称的な森に挟まれた道を、陣見山へと辿ってゆきました。

 陣見山の山頂には、テレビ中継施設が建っています。展望も無く味気ない山頂だったので、稜線をさらに進んで、山頂から3つ目の中継搭の先にある展望の開けた所で一休み。バナナと菓子パンで小腹を満たします。今日は、小川町で30分ロスタイムがあったとは言え、余裕の行程です。昼に一杯やるのを楽しみに、今日のもう一つのピーク「不動山」を目指して歩き始めました。

 陣見山から不動山への道は、途中から不明瞭な踏み跡になりました。本当はここで気付くべきだったのです。が、今日は大槻峠への取り付きが荒れた道で、「この辺りの山域は、人が少なく登山道も荒れているんだ。」と勝手に決め付けていた節がありました。次第に藪道になり、小枝を掻き分けながら進む様になっても、まだ違った方向に降りている事に気付きませんでした。陣見山から歩く事約30分、突然目の前に送電線の鉄塔が出現しました。???変だな。でもまだ気付きません。鉄塔の下が広場になっていて、ここに腰を降ろして、しばし休息。改めて鉄塔を見上げると、急に不安になってきました。そう言えば、潅木の間から見える筈の荒川が見えません。ここに至って、漸く道が変なことに気付きました。1/25000を広げると、果たして山頂から北に降る尾根筋を降りていたのです。里山だからと、知らずの内にたかをくくっていたのでしょう。何時もなら、山頂では地図を広げて進行方向の確認をします。今日は、方向確認をしませんでした。大失敗です。それから再び藪を掻き分けて陣見山の山頂まで戻ると、中継施設の左側に伸びる登山道が、そして標識も建っていました。思い込みと油断で、1時間のロスタイムです。

 陣見山から不動山への正規ルートは、明るい潅木の中を進んだ後、榎峠からしばし車道を歩き、間瀬峠から再び登山道となります。間瀬峠から5分程歩いた頃からでしょうか。何やら銃声が山にこだまし始めました。1月に大持山や。山近辺を歩いた際には、猟銃を担いだハンターに結構出会いました。こんなに里に近い山なのに、禁猟区じゃないんだ..、と思いながら進んでいくと、次第に銃声の音が大きくなって来ます。山の中で、次第次第に銃声が大きくなるのは気持の悪いものです。万が一、動物と間違えられては大変。心なしか、歩幅が広く、ピッチも早くなります。不動山の頂上へ着くと、反対側から登って来た人とすれ違いました。地元の人の様でした。「どちらから登られたのですか?」と聞くと、「射撃場の脇からです。」と応えが返ってきた。「そうか。射撃場があるのか..。」 思わずホッとため息です。

 不動山は、数年前迄は北側の展望に優れた山頂だった様ですが、植林された杉の木が育った今は、展望はありませんでした。ここから尚も尾根道を進み、「長瀞町」と「皆野町」の境にある出牛峠から、出牛の部落に降り、今日の山行を終える事にしました。
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