武州日野 〜 落合  2002年1月12日 歩行時間 :約6時間
武州日野駅(7:45) → 巡視路入口(8:05/8:15) → 81号鉄塔(8:45) → 84号分岐(9:15/9:30) → 白井指(9:45) → アンテナ(10:15)→ 大指(11:00) → 古池(11:10) → 猪狩山(12:15/12:30) → 御岳山(13:30/13:50) → 落合(14:45)



  
送電線巡視路の標識が登山口


80号鉄塔越しの秩父御岳山


84号への道(左)と仕事道(右)
の間の尾根を登る



白井指の山頂


白井指からの下山口


稜線沿いに踏跡を辿る
 2002年の登り初めとして、白井指から秩父御岳山へ静かな山を歩きつないだ。奥武蔵には、静かで落ち着いた山が多いが、中でも白井指山は、山のガイドに紹介される事も少なく、入山者の少ない山の典型だ。登山道の標識は全く無いが、近くまで送電線の巡視路が入っており、道はしっかりとしていた。

 ●巡視路を辿って白井指へ
 秩父鉄道の武州日野を降り、国道140号線を20分ほど三峰方面に歩くと、頭上に東京電力の送電線が近づいて来る。送電線をくぐって直ぐ、国道の右側に「新秩父線80号に至る」と記された巡視路の標識が現れた。ここが今日の登山口だ。ここから白井指に至る稜線は「天宮尾根」と呼ばれているが、登山用の標識は一切無く、鉄塔を示す電力会社の杭を頼りに、良く整備された巡視路を歩くことになる。登山口から平坦な道を少し歩いて、鋭角に右折すると階段が始まった。いい加減階段に飽きたころ、80号鉄塔に到着。今日の目的地「秩父御岳山」や、荒川を挟んで「熊倉山」などの展望が開けた。再び樹林帯の中を進み81号、82号を通過、83号への道を左に分け84号への道を進むと、暗い杉林の中で二股に出る。左は84号への道、左は仕事道の様だ。ここで正面の斜面を登る踏跡に入るが、一気に道が細くなり心細をい道となった。尾根筋を外さずにテープを頼りに歩いていくと、幾つかのピークを過ぎた後、「三角点」と記された白井指の山頂に到着した。

 白井指の山頂は、小さな広場に二等三角点があり、北側の斜面が開けている。両神山から二子山等の山が見えたが、植林されて若木が育っていて、数年後には展望の無い山頂になるのではないだろうか。白井指の山頂からは、西に向かって伸びる尾根筋を降りることにする。山頂付近の倒木に、白いビニール紐が巻かれていて降口を印していたが、ここから先はテープ類も一切無く、地図と地形が頼りの歩行となった。

 ●地図と地形を頼りに大指部落へ降りる
 白井指から、杉林の中を西に伸びる稜線を下り、登り返して小ピークに向かう。途中から南側が自然林になり、杉林との境を進んでいく。所々で竹藪が出て来るが、迂回すれば稜線を外れることは無い。小ピークで稜線は北西に方向を変えるが、再び西向きになったりするので、地図上の現在位置確認が難しい。「行過ぎたかな。」と思っていたら、稜線上に小さなテレビアンテナが現れた。大指の集落から伸びていると思われるケーブルが、西側の斜面に降りている。万一引返す時にも目印になると思い、ここを下降点として西側斜面を降りる事にした。
 暫くケーブルに沿って降りたが、やがてケーブルは左手に曲がり藪の中に消えていた。方向は間違っていないと思い、西側に直進する。稜線から20分程下降した辺りで、送電線の85号鉄塔下に出た。巡視路の杭も立っていて、ひと安心。再び杉林の中を下っていくと、やおら大指部落への林道に出た。

 ここまでの行程で、山らしい標識があったのは白井指の山頂だけ。標識の無いコースを辿るのは少々心細いものがあるが、万一道に迷っても、遠からず麓の部落に降りられる里山で、地図と地形を頼りに歩くのは、踏跡の判別や歩行の距離感覚を養う良い機会だ。周囲の変化を判別しながら歩くのも、結構楽しいものである。 

TVアンテナを目印に稜線を下る

古池部落から猪狩山の前衛

猪狩山山頂
 ●猪狩山を越えて御岳山へ
 大指集落から古池集落に向かって車道を歩いていくと、なにやら登行意欲を掻き立てられる形をしたピークが目に飛び込んできた。これは猪狩山の前衛峰で、ピークとしての名前は付いていないが、標高差350m を一気に登る急登は、距離こそ短いもののアルプスの急登に決して引けを取らなかった。

 猪狩神社の左手から「つづら折」の坂が始まるが、一旦車道に出てからの坂は、50度はあろうかと思はれる本当の急坂だ。落葉に足が滑る。潅木に捕まりながら、体を上に持ち上げる感じのする斜面が30分ほど続く。みるみるうちに高度があがり、歩いて来た白井指のピーク等、あっと言う間に見下ろす様になった。急登を登り終えると、猪狩神社の奥社であろうか、小さな祠の立つピークに出る。猪狩山頂の標識は、ここから15分程歩いた822m地点に置かれていたが、祠の立つ前衛峰ピークの方が、山頂としては相応しい感じがする。

 猪狩山からは稜線を辿って御岳山の山頂に向かう。途中、三峰口から御岳山へ登る登山道と合流すると、急に道が明瞭になった。登山者ともすれ違う「普通の登山道」だ。そういえば、今日は此処まで誰ともすれ違わなかった。人気のある道にホッとしながら歩いていく。猪狩山から歩くこと約1時間、秩父御岳山の山頂に到着した。荒川の対岸に武甲山、熊倉山、和名倉山。西から北にかけては、甲武信岳、両神山、そして西上州の山。素晴らしい展望を楽しみながら飲むビールは美味しい。

 昨年の今頃も奥武蔵の山を歩いたが、去年は山に雪が付くのが早く、結構コースタイムに苦労した。今年はもう少しの間、雪の無い登山道を歩けそうである。また、天気の良い日、歩きに来る事にしよう。久しぶりの山景色を楽しんだ後、落合へ下山路をとる事にした。

猪狩山から御岳山への稜線


御岳山の山頂


御岳山の山頂から両神方面
低山縦走記にジャンプします。 武州日野〜浦山口にジャンプします。 トップページにジャンプします。