●玄倉林道の新ゲート
雲取岳〜塔ノ岳のルートの中で、最後に残された「檜ノ洞〜蛭ヶ岳」を踏破するべく、2000年の6月初旬に丹沢の山を歩いてきました。ユーシンロッジまで車で入り、ここから周回してこようというものです。例年、7月から9月までの夏山シーズンは、丹沢湖畔の玄倉から先の林道は車両進入禁止になる為、その前の6月を選びユーシンまで車で入るつもりでした。ところがです。玄倉からいくらも走らないうちに、立派なケートが出来ているではありませんか。
腕章をつけた監視員もいました。聞けば、99年夏の水難事故以来、林道への一般車両の進入が禁止されたとの事、ゲートからユーシンロッジまでの片道1時間半を、余分に歩かなければなりません。おかげでこの日の行程は、一気にハードなものになってしまいました。
ゲートから約40分で水難事故で有名になった玄倉ダムに、そしてここから約50分でユーシンロッジに到着します。途中に何箇所かトンネルがありますが、ダム手前の「仏岩随道」は距離が長く、曲がっているためにトンネル中心部は真暗で、ヘッドランプ等の明かりが必要です。 |
玄倉林道のゲート
ユーシンロッジ。左脇が登山口
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●ツツジを追って檜洞丸山頂へ
ユーシンロッジ左脇の鉄橋を渡り、いよいよ登山道に入ります。このコース、登山道に入ると一気の急登になります。約45分で「大倉山」に到着しました。あいにくの曇空で展望はありませんでしたが、山頂は樹林がひらけており、晴れた日には丹沢の主脈をぐるっと一望する事が出来るでしょう。この先、ザレ場を下ってからは、樹林帯の尾根道を進んで行きます。縦走路には、赤紫色のトウゴクミツバツツジや真っ白なシロヤシオが随所に咲いていて、目を飽きさせません。「同角ノ頭」付近は、特に花が見事でした。5月下旬から6月初旬の丹沢は、新緑と花が特に美しい季節で、高度が低い為に盛夏には暑さが厳しいこの山域を歩くベストシーズンではないでしょうか。ユーシンロ゛ツジから登ること約3時間、ようやく檜ノ洞丸山頂に到着です。檜ノ洞は今回で3回目ですが、この日が花が一番見事でした。 |
シロヤシオとトウゴクミツバツツジ
檜洞丸山頂
濃霧につつまれた蛭ヶ岳山頂
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●静かな縦走路
檜ノ洞丸から蛭ヶ岳への路は、再び静かな縦走路になります。マイカーでの日帰り登山が多くなった昨今、交通の便の良い西丹沢自然教室まで車で入り、ここから「檜ノ洞丸」、「大室山」、「畦ヶ丸」への山頂ピストンをする人が多いようで、それを外れた西丹沢のコースは人が少なく、この日も「西丹沢」から「檜洞丸」への路と並走する部分以外では、殆ど人とすれ違いませんでした。特に「檜洞丸」〜「蛭ヶ岳」間は、すれ違った人が一人、追い抜いた人が一人だけでした。玄倉林道に車が入れなくなり、このエリアへのアプローチが長くなった事が影響しているのかもしれません。「檜洞丸」から約1時間で臼ヶ岳に、そしてここから約1時間で「蛭ヶ岳」に到着しました。「蛭ヶ岳」への最後のアプローチは一気の急登で、「冬季10本爪アイゼン以下の装備で、この間を歩かないで下さい。」との立て看板が頷けました。
蛭ヶ岳山頂からの熊木沢への道は、一気の急降下となります。下山開始後10分位は道が不明瞭な箇所がありますが、低木に巻かれた赤と黄のビニールテープを辿って行けばコースを外れることは無いでしょう。以前、残雪期に此処を下ったときのコースタイムは35分でしたが(低山縦走記の次の行程)、この日は45分かかりました。体重が増えた事が原因かしらん。
熊木沢出会いからは、林道歩きになります。ここからゲートまで延々2時間の、下山後には少々カッタルイ林道歩きでした。「今度来る時には、折りたたみ式の自転車でも持ってこよう。」と思った玄倉林道でした。 |
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