● 池口岳の登山口にて
南アルプス光岳の先にある池口岳は、登山口のでのアプローチが長い上に、コースタイムも長い山で、今まで登れずにいたのだが、この池口岳に盆休みを利用して登る事にした。東京を深夜に出発し中央高速で飯田まで走る。ここから矢筈トンネルで上村に出て、林道池口線の終点近くにある登山口には、五時前に着く事が出来た。漸く明るくなり始めた頃合で、辺りの空気もひんやりしている。天気は良さそうだ。身支度を整えていると、地元三河ナンバーの車が上がって来た。やはり池口岳を目指す登山者で、挨拶を交わす。
手早く身支度を整え、登山口の写真を撮っていざ出発、と思ったらば、肝心のカメラが電池切れになっていた。昨夜フィルムを装填した際に、電源を入れっぱなしにしたのが原因らしい。さて困った。山頂での証拠写真が撮れない...。普段だったらば、車で一走りして近くのコンビニで使い捨てカメラを買ってとなるのだが、飯田の町を出てから登山口まで、コンビニや朝早く開いていそうな店は無かった。あ、携帯があった。このカメラを使おう。そんな訳で今回は、携帯電話のカメラを使う事にして、気を取り直して歩き始める事にした。
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池口岳登山口
池口岳を望む
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黒薙の頭
黒薙の頭から池口岳
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● 涼しい朝のうちに快調に距離を稼ぐ
標高1100m付近の登山口から、まだ薄暗い樹林帯の中を歩き始める。登山道は尾根筋に設けられていて、幾つかのピークを越えて池口岳に至っているのだが、結構な距離があった。ガイドブックのコースタイムは登り6時間50分、下り5時間程度になっている。朝の涼しいうちに距離を稼ごうと、ピッチを上げで登っていくが、歩き始めて暫らくは急坂も無く、面白い程テンポ良く歩く事が出来た。歩き始めて程なく、先行した登山者を追い抜き、祠のある山の神を通過。深い森をの中を歩くこと約一時間で1530mのピークに到着する。ここから一旦下って、再び斜面を上り詰めると、歩き始めて1時間30分程で、黒薙の頭に到着した。南面の視界が開け、これから登る池口岳をはっきり見ることが出来る。この黒薙の頭は風通しも良く、展望も良い絶好の休息ポイントだ。 |
● 稜線を詰めて山頂を目指す
登山道は概ね樹林帯の中を進んでいて、展望には欠けるが夏の強い日差しを遮ってくれる。また登山道が稜線を辿っている事もあり、心地よい風が吹いていて、気分良く歩ける登山道だった。道にはカラ松やオオシラビソの枯葉が腐葉土になっていて、まるで絨毯の上を歩いている様にクッションが効いている。岩場を越えるのにロープが張ってある場所も有るが、木の根がホールド代わりになっていて危険な箇所は無かった。暑い一日を予想して、普段より大目の4リットル以上の水分を持参したが杞憂だった様だ。
ザラ薙平を越えて、光岳からの縦走路との合流点に到着すると、大きなザックが置かれていた。光岳から加加森山を越えて来た単独行の登山者が置いたものだろう。池口岳の山頂付近で持ち主の登山者と会話したが、光岳から此処まで約4時間のコースの様だ。最後の急登を登りきると、池口岳の最高地点である北峰に到着した。気に覆われていて展望が今ひとつの山頂だ。時計を見ると9時25分で、時間的に余裕がある。当初は標高最高点の北峰までで引き返そうかと思っていたのだが、まあ二度と来る事が無いかなと思い、三角点ピークの南峰まで行く事にする。
池口への登山道は概ね視界が開けないのだが、南峰への登り斜面は笹原になっていて、暫らくの間展望が開けた。光岳から上河内、茶臼へ伸びる南ア主稜線、遠くに見えるのは塩見岳であろうか。南アの巨人達を楽しみながら登って行くと、三角点ピークのある池口岳南峰に到着した。正味歩行時間4時間20分、休みを入れても5時間少々で池口岳の山頂に建つ事が出来た。天候に恵まれた事、適度な風があって温度が上がらなかった事等、条件に恵まれた日だった様だ。美しい林層と、南アルプスの巨人達の遠望を楽しむ事が出来た池口岳であった。 |
ザラ薙付近から黒薙方面を振返る
加加森岳から光岳方面
池口岳山頂(南峰)
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