女峰山

2483m
2002年8月3日 歩行時間  
志津林道ゲート(7:00)→馬立登山口(7:45)→水場(8:50/9:00)→唐沢小屋(9:15/9:25)→女峰山(9:50/11:10)→唐沢小屋(11:30)→ガレ場(11:45)→唐沢小屋(12:50/13:20)→志津林道ゲート(16:00)



●のんびり登山で女峰山
 登山口の標高が1800m近くあり、「涼しい山行」が手軽に出来る日光の女峰山に、志津林道側から登った。志津林道は途中にゲートがあって、ここから小1時間程林道を入ったところが登山口になっている。いったん沢筋に下り、裏見滝から登ってきた道と合流してからは、カラマツ林の中を単調な登りが続く。樹林が開けた処で振り返ると、大真名子・小真名子が雲に浮かんで見えた。

  水場を過ぎた辺りからはシラビソの林となり、苔生した倒木を縫って登るようになる。唐沢小屋に着くと、15名位の団体が丁度出発するところであった。小屋の近くで休んでいると、水場の上で追い抜いた年配の二人連れが到着した。挨拶を交わすと、この二人も先程出発した団体の一員で、神戸・大阪から来ているとの事であった。昨日は太郎山に登り、今日が女峰山、そして明日は男体山に登ると言う。何処の山でも中高年の登山者が多いが、関西から日光の山を登りに来るとは大したものだ。

 唐沢小屋からは樹林帯を10分程進み、ガレ場を横断して一登りで山頂に到着した。期待した展望は、折からのガスで得ることが出来なかったが、持参の枝豆とソーセージでビールを頂く。やはり冷たいビールには、枝豆がよく似合う。今日は昨日茹でた枝豆だったが、今度は山の上で枝豆を茹でる事にしよう。帰りの行程が短い事もあって、1時間以上も山頂でのんびりした後、下山を開始する。   

志津林道、正面に女峰山



馬立の登山口


樹林帯の中を登る


山頂直下のガレ場


女峰山の山頂
転落事故に遭遇する
  テンポ好く唐沢小屋辺りまで降りると、上のほうから「助けてください」と言う、女性の声が聞こえてきた。その後で呼子が3回、等間隔で聞こえた。登山道を駆け上っていくと、ガレ場の上のほうから空身の男性が降りてくる。ガレ場の上で年配の女性が転落して倒れているとの事だった。転落したのは午前中、唐沢小屋で会話した二人連れの年配の一人で、ガレ場で転倒して10m位ころがって転落した処を、偶然登っていた御夫婦が止め、助けを呼びに降りてきた処だった。自分の持っていた、消毒脱脂綿と滅菌ガーゼが役に立つ。幸い出血は止まった様だ。

 どうしたものかと思っていると、下のほうから6人の男性が駆け上がってきた。彼らは日光山岳会のメンバーだった。止血を確認して一休みした後、足が無事である事を確認してから、腰にベルトを巻きつけて、補助ロープと大きなカラナビを使って一人が後ろから姿勢を保持させ、もう一人が前をカバー、他のメンバーは障害となりそうな浮石を除去しながら、ゆっくりと下山を開始する。自分の他に、転落を止めた御夫婦も一緒に登山口まで降りた。途中から携帯で救急車を手配、転落した登山者は日光市内の病院に搬送された。
●中高年の登山考
 恐らく無事で、事なきを得たのではないかと思うが、改めて考えてみると、15人パーテイーの山行スタイルに問題があった様に思う。残りのメンバーは馬立から唐沢小屋経由で女峰山に登った後、富士見峠にミニ縦走して馬立に戻ったが、転落した女性と連れの男性は、かなりペースが遅く、別行動で行きと同じルートを下山した。登りの行程でも、他のメンバーからかなり遅れて登っていた為、コースタイムの短い登りのコースを下山路にした事は正しい判断であったろう。

 ただパーティーとして見た時、離れて歩いてパーティーを分ける場合には、それなりに脚力のある経験者を、それぞれのグループに配置すべきではなかったか。また基本的な問題として、特に事故のおき易い下りの最後尾は、何かあった時に動ける者が確保する必要があったのではないかと思う。ただ、高年だけで構成されたパーティーでは、そもそも他人を補助出来るメンバーを確保する事が難しいという、根本的な問題があったのかもしれない。
 
 それにしても、日光山岳会の人達の手際は実に見事であった。日頃から訓練しているのであろうが、見事なチームワークだった。本当に御苦労様でした。

転落事故のあったガレ場


怪我人を補助しながらの下山
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