●コースタイム通り時間のかかる傾山
大崩山、傾山、国見山と続いた2002年春の九州山行の中で、最もハードなコースだったのが傾山である。延岡のホテルを早朝5時に出発して、車の少ない一般道を、「三重」を経由してひた走る。道の駅「原尻の滝」で車を止めてトイレ休憩。ここからは狭い県道七号線を南下、上畑の部落で祖母山登山口への道と別れると、間もなく登山口となる九折駐車場に到着した。カーナビのおがで、道に迷うことなく登山口に到着する事が出来た。見ると4〜5台の車が停まっており、既に出発した後の様だ。傾山には九折から「三ツ尾コース」と「上畑コース」の二つのルートが有るが、登山口の案内板には、三ツ尾コースを歩く場合は登での利用を勧めていた。何でも三ツ尾までの坂が急で、下りに使用して転落事故があったのだそうだ。ここは忠告に従い、三ツ尾コースで登り、上畑コースで下山する事にして歩き始めた。
駐車場の上部は鉱山跡になっていて、かつての給水設備沿いに舗装道路を歩いて行くと、直ぐ登山道が始まった。空色のペンキで塗られた橋で対岸に渡った所がコースの分岐転だ。上畑コースはロープに沿って再び川を渡り返す。右手の斜面を登って行くのが三ツ尾コースだ。しばらく片斜面の道を進んでいくと、観音滝を高巻く道となった。落差75mあると言う滝だが、「危険、のぞくな」とある。確かに下りでこのコースを歩いた場合、滑りやすい滝の高巻き道は疲れた足には少し危険かもしれない。歩き始めて約40分、林道に出る。暑くなってきたので、セーターをしまう。林道からしばらくの間は、急登に次ぐ急登だ。荷物が軽いとはいえ結構きつい。所々で立ち止まって息をつく。林道から30分程で暗い杉林の中を登る様になると傾斜が緩くなってきた。所々赤テープが不明瞭な場所があったものの、道筋はしっかりとしており迷う事は無いだろう。歩き始めて1時間50分、三ツ尾の小ピークに達する。ここまでのコースタイムは、昭文社の地図に記された時間どおりかかってしまった。何時も地図に記されたタイムの7割程度で歩いている自分としては、少々時間がかかり過ぎだ。それだけ傾山は厳しいコースだと言う事なのだろう。今日のコース、気を引き締めて行く必要がありそうだ。 |
九折登山口の駐車場
鉄橋で九折川を渡る
暗い杉林を登る
三ツ坊主分岐
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三ツ坊主を巻く谷道
傾山山頂
傾山の頂上部
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●ポカポカ陽気の山頂
三ツ尾のピークからは緩やかな稜線を辿って傾山に...と思っていたら、これが結構なアルバイトを要する道だった。三つ坊主分岐迄は、枯葉を蹴散らしながらの楽な行程であったが、ここからが大変。三ツ坊主を巻く谷道は、小さな沢を幾つも越えて行くのだが、地図には表現されない数十もmのアップダウンが続き結構時間がかかる。表面が凍結している傾斜した一枚岩を横断したり、ぬかるんで足場を確保するのが大変な斜面もあったりする。何とか傾山が目の前に来たと思ったら、50m近い急降下。ルートの標高差は相当なものであろう。何とも時間のかかる道を歩いて傾山の辿り着いた時には昼近くになっていた。
期待した展望は春霞の為に今ひとつであったが、さすがに九州山地のど真中、周囲は全て山。見慣れぬ九州の山並みで山座同定は難しかったが、祖母山、大崩山等は認める事が出来た。宮崎から来たと云う先着の登山者と話していたら、傾へは南側からの「九折越コース」がもっとも楽で、駐車場から山頂まで1時間40分程度で登りついたと言っていた。確かに地図を見るとコースタイムが短い。このコース、南斜面ということもあって、凍結した所は殆ど無かったとの事であった。
ゆっくりとした昼食の後、九折越を経由して上畑コースを下り始めた。このコースは傾山や三ツ坊主を眺めながらの景色のよいコースだ。山頂で一緒になった地元の登山者と、ほぼ同じペースカで下ったが、途中の林道出合で休憩している間に話を聞くと、本州のアルプスも毎年歩かれているそうで、かなりのベテランの様である。年に一度はアルプスの山を歩きたいのだけれど、なにしろ遠くて...と言っていた。九州からだと、飛行機で大阪に飛び列車に乗り継いで、登山口に行くまでが大変だとの事。アルプスの山に比較的近くて、北海道や九州への飛行機の便もよい「東京の立地の良さ」を改めて実感した。 |
九折越への下り |
下りに使った「上畑コース」は、途中で三ツ坊主が好く見える場所も有ったりして、登りに使った「三ツ尾コース」に比べて変化の多い道だった。途中に難所が無かったせいか順調に下り、3時前には駐車場まで戻る事が出来た。
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三ツ坊主(上畑コースより) |
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