薬師岳

2926m
2000年7月29〜30日 歩行時間  1日目 4時間
        2日目 6時間30分
  折立 → 1870三角点 → 五光岩ベンチ → 太郎平小屋 → 薬師峠
 8:00  9:40/10:00   10:45/11:05  11:45/11:50    12:15
 薬師峠 → 薬師岳山荘 →   薬師岳   → 薬師岳山荘 →  薬師峠  → 五光岩ベンチ → 折立
 4:30   5:40/6:50  6:25/6:45   7:10/7:20  8:10/9:00   9:45/10:15   12:10




折立の登山口



1870m点からは視界が開ける



五光岩ベンチ付近から剣岳を望む
●折立より太郎坂を登る、夏の必需品「うちわ」
  2000年の梅雨明けはどうもパッとしない。天気予報を聞いて、土曜日の29日に晴れの予報が出ていたのは、富山県だけであった。北アルプス北部の山の天気は、長野ではなくて概ね富山の天気に準じる事が多い。そんな中、好天を期待して、北アルプスの中で登っていない「薬師岳」に登る事にした。
  早朝2時半に東京を出発、上信越道経由で一路富山に。立山インターに到着したのは6時30分頃であった。折立への道は、標識が出ており分かり易い。インターから約1時間で折立登山口に到着、装備を固めて丁度8時に歩き始めた。
  折立からの登山道は、樹林帯のなかをぬって登っていく。特別な急登もなく、比較的歩き易い道であった。ただ、風が「そよ」とも吹かず、標高1500mを越えているのに、とにかく蒸し暑い。話している言葉から、地元の富山や新潟から来ていると思われる登山者は、「うちわ」を手に登っていた。なる程いいアイディアだ。地元の人の知恵に学び、次回からは「うちわ」を装備品リストに加えておこう。

●気持の良い高原状の道を太郎平小屋へ
  折立の登山口から約1時間40分、1870mの三角点に到達した。今まで樹林帯で遮られていた視界がここで一気に開けた。ここから先の登山道は、その大半が展望の尾根歩きとなる。尾根歩きといっても、傾斜はゆるやかで、だらだらとした坂を一歩一歩進んでいく。眼下に有峰湖が見え始めた。五光岩ベンチは、一服するのに丁度良い場所にあった。晴れていけば、ここから山越に剣岳が望める。(下山時には剣を眺めながら休んだ。)

●眺めの良い太郎兵衛平
 
折立から正味の歩行時間約3時間で、展望の良い太郎平に到着した。登って来た道を振り返ると、登山道の向こうに富山湾が望める。太郎平小屋の前は広場になっており、正面には「雲ノ平」越しに「鷲ヶ岳〜水晶岳」が、左手には「薬師岳」が美しい。ここから幕営地まではすぐの距離だ。早々と幕営地に到着し、テントを設営後にゆつくりと休むことにした。

●幕営地で買えた冷たいピール

 薬師峠の幕営地は、薬師岳に向かう登山道の鞍部にある。綺麗な水場と御手洗いがある、気分の良いテントサイトだ。設営の受付も、幕営地の傍らにある小さな小屋でする事が出来る。そしてこの受付で、何と沢の水で冷やしたビールを買うことが出来るのである。350ol缶が500円であるが、小屋まで買いに行く必要が無いのが嬉しい。幸い時間はたっぷりある。茹でたソーセージや、ベーコン&玉ねぎ炒めの卵あえをつまみに、気持ちの良い風に吹かれながら、雲ノ平の景色をながめて、冷えたビールを傾ける...という贅沢な時間を過ごすことが出来た。

●太郎兵衛平からの夕日
 夏の日は長いが、7時近くにもなると、さすがに冷え込み始めた。セーターとカッパを羽織って、展望の良い太郎平まで上がると、西の空に沈んで行くところであった。空が赤紫色に染まって美しい。富山湾の向こうには能登半島、太陽の沈んだ辺りには、白山の山塊がシュルエットの様に浮かんで見えた。明日の好天を期待して、床につく事にした。
  

太郎平で振り返ると、
登山道の向こうに富山湾が望める



太郎平から薬師岳を望む


太郎平での日没

花畑の中を薬師岳小屋へ
(下山時)




薬師岳山頂
●強風の中の薬師岳登頂
  翌日は3時半に起床し、4時半に出発した。この時間になると、ヘッドランプ無でも歩くことが出来る。薬師沢をからみながら登山道を薬師平まで上がると、強い西風に襲われた。強風が吹いている割に、薬師岳の頂上はガスに覆われている。薬師岳小屋の影で風を避けながら、セーターとカッパを着込んだ。登っている間に晴れることを期待して出発。
  「迷い薬師」と言われるピークを過ぎる頃になると、サアッと太陽の光が差し込み始めた。最後の雲の一団が流れ去ると、素晴らしい展望が開けた。山頂に辿り着いた頃には、360度の視界が開ける様になる。縦走路の向こうには、姿が対照的な「剣岳」と「立山」。雲ノ平の向こうには「槍ヶ岳」と「鷲ヶ岳」の二つのピークが天を指している。山座同定を楽しんだ後、名残惜しい山頂を後にする事にした。

山頂は次のピーク(下山時)
正面に見えるのは「迷い薬師」




正面が槍ヶ岳、左は鷲ヶ岳
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