戸隠山・高妻山

1993年 9月11・12日 歩行時間  1日目 約 5時間
        2日目 約 6時間
戸隠神社→戸隠奥社→八方睨→戸隠山→一不動避難小屋(泊)→高妻山→一不動避難小屋→戸隠キャンプ場




戸隠神社参道の杉並木
●修験の山「戸隠山」
 妙高山を代表とした「頸城山隗」の南の端にあるのが、戸隠山と高妻山である。戸隠神社から八方睨みに登り、戸隠山を踏んで一不動避難小屋で宿泊、翌日に高妻山を目指すことにした。
 東京を早朝に出発し、一路長野を目指す。まだ上信越道が全通しておらず、戸隠神社に着いたのは昼前であった。社務所近くの蕎麦屋で昼食を取った後、戸隠神社表参道の立派な杉並木を歩き、登山道入口の「戸隠奥社」にむかった。
  「戸隠奥社」の脇には、「危険箇所有り、入山注意」の看板が立っている。警告の看板を横目に、気を引き締めて登山道に足を踏み入れた。樹林の中を右に左へと登りが続く。50軒長屋、百軒長屋の岩壁を越える頃から、鎖場が現れる様になる。一般的な縦走路の鎖場は、鎖はあくまで補助であり、基本的には岩のホールドを確保しながら登ることが出来る処が多いのであるが、戸隠山の鎖場は、ほぼ垂直に登る場所が多く、鎖で体を持ち上げる様な場所が次々と現れる。さすがに修験道の山の名に恥じない厳しいコースだ。一泊の荷物を背負っての鎖場はさすがにきつい。

この痩せ尾根が登山道
●難所「蟻の戸渡り」「剣ノ刃渡し」
  登りはじめて約2時間、このコース最大の難所「蟻の門渡り」「剣の刃渡し」に取り付く。この痩せ尾根、来る前にガイドブックの写真で見たより、ずっと道幅が狭い。ごつごつして歩き難い尾根道の幅は、30〜50cm位しか無い感じた。一見するとどうやって越えていいのか、思わず足が竦んでしまうような難路であった。尾根の両サイドはスパッと数十m切れ落ち、一歩足を踏み外せば、助かるとは思えない。手前にある「蟻の戸渡り」には巻き道、(巻道といっても「鎖で確保しながら、岩壁の側面をへつっていく」なかなか厳しい道であるが、痩せ尾根よりは安全。)があるが、その先の剣の刃渡しには、迂回路も無い。腹をくくり、慎重に慎重に進んでいく。顔が引き攣っているのが、自分でもわかる。剣ノ刃渡しは、尾根を跨ぐようにして越えた。

戸隠山山頂にて
●戸隠山山頂へ
  難所を越えると、すぐ主稜線上の「八方睨」に出る。ここでしばし休息を取り、体勢を整えてから歩き始めると、程なく「戸隠山」頂上に到着した。戸隠神社の山門から戸隠山頂迄、登山マップの標準タイムは2時間45分になっていたが、この日は正味歩行時間で、約3時間15分を要した。何時もコースタイムの80%程度で歩いている事からして、このコースタイムは少々厳しいのではないかと思われる。何れにせよ、鎖場のある登路は、何時もより時間に余裕を持つことが必要であろう。ここから初日の宿泊地「一不動避難小屋」迄は、約1時間半であった。
●一不動から高妻山へ
 翌朝、「一不動避難小屋」から朝露の登山道を踏んで、高妻山を目指すことにする。この登山道は、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥陀、七観音、八薬師、九勢至、と石祠が置かれているが、五地蔵から先は、登るのに必死で数えるのを忘れてしまった。高山性の中低木帯の中を進む急登を登りきり、草地を越えると、漸く「高妻山」の山頂に到着である。薄曇りで360度の眺望は得られなかったが、戸隠山を越えての道を思い出しながら、昔の修験者の辿った道を登りきったと言う、満足感に浸ることが出来た。

高妻山山頂にて
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