苗場山

1998年6月28日 歩行時間  約5時間10分
登山口 → 和田小屋 → 下之芝 → 上之芝 → 神楽ヶ峰水場 → 苗場山 → 和田小屋 → 登山口  
7:15    8:35着   8:20着    9:10着  10:05着    10:45着   14:00着  14:30着
        8:40発   8:30発    9:30発  10:15発    12:00発   14:10発



信越国境の明峰「苗場山」
  東京から関越道を使えば簡単に行ける山とのイメージが強かった為か、ついつい後回しになっていた苗場山に漸く登る機会を得た。梅雨末期の強い雨の日が続く中、翌日の日照予想図を見ると、新潟地方だけが雨雲がかからない予想になっている。ワタスゲの季節でもあるこの時期、山上湿原の風景を楽しみに、苗場山に出かけるこ事にした。
  三俣温泉から林道を入るとまもなく、ゲートがあって監視員が居た。簡単な書類をに記入すれば、登山者はフリーパスであったが、どうやら「山菜狩り」に入山する人をチェックしている用であった。林道がリフトの下を潜る様になって間もなく、「苗場山登山口」の標識がある駐車場に出た。ここに車を停めて登り始めたが、登山道はすぐ林道と合流して、和田小屋まで林道を歩く事になる。和田小屋付近にも駐車スペースがあり、知っている人は此処まで車で上がっていた。
  和田小屋からはいよいよ本格的な登りとなる。梅雨の合間である為道がぬかるんでいて滑りやすい。登山道自体が沢のようになっていて、道を泥水が流れ下っている。白装束に身を包んだ、信仰登山をしている一団を追い抜き、登山口から約1時間で「下の芝」に到着した。   

苗場山の登山口




中の芝を越えた辺り

神楽ヶ峰より望む苗場山
●神楽ヶ峰を越えて
 
神楽ヶ峰を越えていく祓川ルートには、「下之芝」「中之芝」「上之芝」と、程よい感覚で休息が取れる場所がある。湿気の多い登山道にあって、小湿原に「すのこ」が敷かれたこれらの「芝」は、絶好の休息ポイントであった。中之芝を越えた辺りからは木の高さも次第に低くなり、展望が開けてくる。熊笹の大斜面を登り切り、神楽ヶ峰の頂きを越えると、漸く目の前に苗場山が現れた。神楽ヶ峰を越えてすぐの場所にある「雷清水」で荷物を降ろし、苗場山を眺めながら飲んだ水の味は格別であった。
  神楽ヶ峰から一旦くだり、ニッコウキスゲの咲いている鞍部を越えると、いよいよ最後の登りである。祓川ルートの中で、この最後ののぼりが一番きつい場所で、特に山頂直下の登りは、真上に登って行くような錯覚すら覚える登りであった。
  
急登を登り切ると突然湿原が現れる   最後の一段を登り顔を上げると突然、目の前に広大な湿原が広がっていた。その余りの唐突さと、一変する景色に感嘆の声をあげずにはいられない。殆どの登山者が、坂を登りきった瞬間、立ち止まり景色に見とれていた。
    

池越しに見える上越国境の山
●広大な山上湿原
 
苗場山の三角点のある山頂は、遊仙閣のすぐ裏手に小さく佇んでいた。皆、山頂の標識で記念撮影はするが、写真をとり終えると地塘の点在する湿原のそばで休んでいる。ワタスゲの白い花が風にゆれ、コバルトブルーの地塘に映え美しい。峻烈な急登の先にあるピークもいいが、湿原を渡る穏やかな風の中で、のんびりと「お昼寝」をしたくなる様な山頂も楽しいものだ。苗場山頂で心地よい一時を楽しんだ後、登路を引き返し下山することにした。
  

平坦な山頂
私の名山紀行にジャンプする。 トップページにジャンプします。