五竜岳

2814m
 1999年10月9日〜10日 歩行時間 (1日目)
       (2日目) 
(1日目) アルプス平 → 小遠見 → 大遠見 → 西遠見ノ池 → 五竜山荘(幕営)
        8:45     8:30/45  10:30/50    11:30       14:10
(2日目) 五竜山荘 →  五竜山  →  五竜山荘  →  西遠見の池  →  小遠見  → アルプス平
        5:15    6:05/9:00  9:50/10:30   11:20/12:20   13:15/13:45   14:50



                         ●三度目の正直
 相性の悪い山と言うのがあって、何回行っても登らしてくれない山がある。麓は天気が良いのに、昨日まで天気が良いのに、その山に登頂する予定の日に限って天気に恵まれない山。五竜山は私にとって、そんな山の一つであった。96年は八方尾根から、97年には遠見尾根から山頂を目指したが、何れも登頂する事が出来なかった。99年秋、晴れの特異日である10月10日に、3度目の挑戦をする事にした。

6月の遠見尾根稜線部

強風に阻まれ五竜小屋より撤退


雲間から姿を現した
五竜山
●遠見尾根を進む
 10月9日、五竜ゴンドラの乗場より、テレキャビンでアルプス平まで上がる。麓では晴れていたのに、遠見尾根にはガスがかかっていた。雨は降っていない。雲海の上に出ることを期待して、稜線沿いの登山道を歩き始める。
 
小遠見、中遠見、大遠見と進むが雲間は一向に晴れてこない。西遠見の池からは、池越しに五竜山が正面に望める筈だったが、今日はあたり一面ガスがかかっている。五竜は余程相性の悪い山だなと、半ば諦めながら登りつづけると、白岳直前の急登にさしかかる頃、漸く五竜山が雲間から姿を現した。登山道の脇に腰を据え、雲間にのぞく五竜をスケッチしている人もいる。待ちに待った五竜の姿だ。

西遠見池からの五竜山
(下山時)
●見逃してしまった荘厳な日没
 白岳から五竜を望むと、山頂から続く尾根が竜の尻尾の様に見えた。(右写真)五竜山荘に到着する頃には、五竜山の全容が望めるようになる。95年に八方尾根から挑戦した際に、唐松岳から五竜を望み、餓鬼谷から一気にせりあがる山容に荘厳さを感じたものだが、真近で見る五竜は、重量感をもって迫ってくる感じだ。五竜山荘の幕営地にテントを設営し、ビールを片手に飽きる事なく五竜を眺めた。私は幕営地から五竜の肩に沈む夕日を見ていたのだが、同じ頃山頂では、荘厳な光景が広がっていた。翌朝登頂した際、日没時に山頂からその光景を眺めていたIさんからその話を聞かされ、ビールの誘惑に負けてしまった事を悔やんだかもう遅い。後に無理を言って、その時の写真を分けてもらった。(下の写真:Copyright/Y.Ito)

白岳の肩から望む五竜山
山頂より白馬方面を望む
山頂より望む剣岳に沈む夕日

夕日に染まる鹿島槍ヶ岳

紅葉が映える遠見尾根
因縁の五竜山にようやく登頂
  山小屋から山頂までは約1時間、岩場の登りである。特に危険な所は無い。翌朝、朝5時過ぎに出発し、漸くその頂きを踏む事が出来た。山頂でゆっくりと景色を楽しんだ後、下山を開始する。昨日とは打って変わり、雲ひとつ無い。紅葉が鮮やかで、特に、西遠見池からの五竜が素晴らしかった。下山路は、昨日路肩でスケッチをしていたI氏や、山頂からの日没光景の素晴らしさを教えてくれたIさんと、前後しながらの下降となった。

小遠見にて
●10月10日の山考
 今回の山行では、稜線部の寒さと凍結を心配したが杞憂に終わった。秋と言うより夏を思わせる陽気であったが、この10月の時期は気温の上下が激しい時期でり、それ相応の防寒策が必要だろう。早朝の稜線部では、霜が降りていた。
 また、10月10日が連休になる年は、何処の山も異常に人が多い。小屋の混雑は8月の盆休み以上の様であった。今回、「テント泊は快適だったでしょう。」と何人かに言われたが、秋の連休に人気の山域で小屋泊まりを計画する場合は、相応の覚悟が必要の様である。
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