浜辺に干した昆布が良い香りを放っていた |
◎アプローチ
稚内港からフャリーで礼文島の香深へ。香深から島の北端スコトン岬へは定期バスが走っている。所要時間は約1時間15分。島内の幕営地は、香深に近い緑が丘キャンプ場(テントのみ)と、島北部の久種キャン場。久種キャンプ場は、新しいバンガローも借りる事が出来る。
◎特徴
8時間コースは変化に富んだコースで歩きがいがある。高山植物は、前半の4時間コースと被る部分と、アマナ岩への下り斜面が豊富。アマナ岩から宇遠内の海岸沿いのルートは、西風が強い時は波の状況に注意が必要。高波が来そうな時は逃げ場が無いので要注意だろう。
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かねて訪ねたいと思っていた礼文島へ、漸く訪ねる機会が訪れた。今回は移動時間の事を考え稚内まで飛行機で入り、レンタカーを借りてフェリーで礼文島へ渡る事にする。木曜日という事もあってフェリーは空いていた。礼文島の香深港から香深井にある緑が丘キャンプ場へ北上しテントを設営後、再び香深へひと走り。香深の町にある共同浴場で汗を流し、漁協直営の「海鮮処かふか」で「うに丼」を食べる。新鮮な殻から外したばかりのウニは甘くて美味しい。香深の町の外れにはセイコーマート(島で唯一のコンビニデ朝6時開店)もあり、消耗品などの調達にも困らない。緑が丘キャンプ場は良く整備された幕営地で、夏の時期の昆布漁を手伝いながら長期滞在している人もいた。 |
稚内よりフェリーで礼文島へ |
礼文島北端のスコトン岬 |
島に入って2日目の金曜日、島の西海岸を北から下る8時間コースを歩くことにする。香深からスコトン岬まで行く朝一番のバスに香深井で6時半頃に乗車した。バスは小一時間かけて東海岸沿いに北上し、7時20分過ぎにスコトン岬に到着した。停留所のすぐ北にあるスコトン岬へ行ったが風が強い。時たま雨も混じる。岬にある土産物屋で話を聞くと昨日の朝は快晴だったらしい。7月の礼文島はずっと安定した天気ではなく定期的に天気が変わる様だ。稚内側から風が吹くと、寒くなるらしい。この日も稚内側から結構強い風が吹いていた。 |
岬より南へ8時間コースを出発 |
鮑古丹を見ながら舗装道路を歩く |
いつ本格的な雨になってもいい良い様にカッパの上下を着用し、バスで来た道を歩き始める。時折真っすぐ歩けないほどの風も吹く中、須古頓神社の先から江戸屋山道へ入った。鮑古丹の浜沿いに進む道もあるが時間的には同じぐらいの様だ。高山植物を楽しむならば、江戸屋山道のほうが良いだろう。 |
ゴロタ岬 |
ゴロタ岬から鉄府へ向かう縦走路 |
鮑古丹神社で分岐した道と合流してからはゴロタ岬への登りとなる。岬といっても海抜180mで結構な登りだ。晴れていれば真っ青な海がさぞ奇麗だろうと想像しながら、レブンシオガマやチシマフウロの間を登って行くと、ゴロタ岬へ辿り着きパッと視界が開けた。ここから暫くは海に面した丘の上を歩くが、ひときは風が強く、真っすぐ歩けない程だ。飛ばされないように用心しながら進んでゆく。 |
稲穂岬への登りから鉄府を振り返る |
召国分岐から本格的な登山道に |
急な階段をころがる様にして下るとゴロタの浜沿いの道となった。西海岸沿いの道は、海岸丘陵が盾になっているおかげで風は穏やかだ。鉄府まではのんびりとした海岸沿いの道を歩く。鉄府の町はずれに奇麗なwcが整備されていて、前屋のスペースで一休みした。鉄府から稲穂岬を越えると澄海岬だ。観光バスが何台か停まっていて、縦走路の中で唯一賑やかな場所だ。ここからバス停留のある浜中へ行くのが4時間コース。そのまま南下するのが西海岸8時間コースだが、ここから先はエスケープルートが無い。歩き始めたら、礼文林道側まで歩き切ってしまうしか無い。天気に若干の不安があったが、多分再び来れるかどうか判らない礼文島、時間的な余裕は充分ある事だしと、そのまま8時間コースを南下する事にした。 |
アマナ岩への下り |
宇遠内へは海岸線を歩く |
澄海岬から丘に上がり暫くは召国へ向かう林道を歩く。召国分岐から先が登山道だ。最初は開けた笹原を進むが、やがて樹林帯の中を歩く様になる。トドマツやダケカンバ等の樹林帯の中をゆく道は平坦で、やや単調な歩きが続くが、アマナミ岩への下り斜面になると高山植物が現れ始めた。急な下りを降り切ると、ここからは海岸沿いの浜に沿って歩く様になる。山側は断崖絶壁で高波が来たら逃げ場はない。本コースで一番危険な場所だなと心配し始めると、心なしか足も早まるの゛だが、時間がたつのが長い。漸く宇遠内の港にたどり着いた時にはホットした。港の外れには奇麗なwcも整備されていた。此処まで来れば一安心、昼食を採ることにする。御湯を沸かして作ったラーメンが美味しい。
宇遠内からは香深井林道を辿って礼文林道へ向かう。香深井林道は林道といっても、小型の山岳運搬車が通れる程度で道幅は狭かった。スコトン岬から歩き始めて約6時間30分、礼文林道との合流点に到着した。ここからはほんの少し先の、緑が丘キャンプ場の幕営地へ戻るだけだ。ピークを踏んだ訳ではないが、充実したウオーキングが出来た礼文島縦走路であった。 |
宇遠内の漁港 |
礼文林道の縦走路入り口 |
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